Interview #016

投資連合隊 × シノケンハーモニー

不動産投資3.0をキーワードに語る、不動産トレンドの変化

震災以降で変わった不動産投資3.0の流れとは

──「不動産投資3.0」とはどういう意味でしょうか?

もともとは、「WEB2.0」という表現など、IT業界の言葉です。
弊社は、業界全体が今のようにインターネット広告に傾倒していく前から、不動産投資系の情報サイトやマンション投資.COMなどの運営をスタートしておりました。
そのため、IT系のお客様や、「インターネットで情報を検索する」という習慣のあるお客様、高年収で社会的にも成功されていらっしゃるお客様、様々な投資商品と比較検討をされるお客様など、知的水準の高いお客様からのお問合せの受け皿になってきたと自負しております。

そんな中で、今の不動産投資のトレンドは、2011年の3.11以降、大きく変化してきていると感じています。

──「不動産投資3.0」以前の投資スタイルはどの様なものだったのでしょうか?

不動産投資3.0とは現在の不動産投資トレンドで、バブル崩壊までの流れが「不動産投資1.0」です。
日本全体が、「土地を買えば、どこでも売却する時には値段が上がっている」と信じることができた時代です。
勿論、今はそんなことはないわけで、今後、日本の国内においては需要が減少していく中で、「日本全国、どこでも土地を所有できれば最後に資産が残る」、という考え方が間違っていることは誰もがご存じのところです。

バブル崩壊〜2011年の3.11までの流れを「不動産投資2.0」と呼んでいます。
これは、バブル崩壊以降、大きく下落した不動産マーケットに対して、チャンスと感じる投資家と、2000年に出版された「金持ち父さん 貧乏父さん」というロバート・キヨサキさんの著書の影響で、2003年くらいから不動産投資ブームが起こってきた、という波に由来します。

投資家の方が、とにかく「経済的成功(フィナンシャルサクセス)」「不労所得」のために、「不動産投資」をはじめれば「何か」がある、と信じていた時代、と言えます。

勿論、物件を取得さえすれば、「不動産のオーナー」になることはそう難しいことではありません。
起業と同じで、会社を設立し、登記さえしてしまえば、誰でも「ビジネスオーナー」を気取ることはできるからです。

ただ、その裏では、多くの失敗者が続出し、一棟モノの多額のローンを返済できず、自己破産を余儀なくされている投資家の方、売るにも売れず、物件を所有し続けなければいけない投資家の方も沢山産み出してきました。
これが「不動産投資2.0」の闇の部分です。

そして、バブル崩壊ではレバレッジをかけ過ぎた資産家が大きなダメージを受けました。これは「不動産投資1.0」の闇の部分です。
このように、大きなトレンドの裏には、それと同等かそれ以上の「失敗者」も存在している、ということはよくよく注意をする必要があると思っています。

また、弊社にも、インターネットを通して、「不動産投資の失敗」について、ご相談をいただく件数も年々増え続けています。

──失敗が表面化した後にはどの様な変化がありましたか?

2008年以降、ついに金融機関の方も、「不労所得形成のためだけにがむしゃらに突き進むだけではその先には失敗が待っている」、ということに気づき始めます。

その結果、今まではあれだけ積極的にフルローン融資を連発していた金融機関が、急に手の平を返したように「自己資金を最低1割から2割は入れてください」と態度が変化し、不動産の売買マーケットが色々な意味で試練を迎え始めます。
このようにして、トレンドの整理・移行の時期に必然的に突入していきました。

──転機はあったのですか?

そのきっかけとなったのが、2011年の3月11日の東日本大震災です。

この3.11により、これ以降の「不動産」のイメージは、「人命を守るものである」という意識が少しずつ芽生えてきたのです。
つまりは、「安全性」や「耐久性」といった新しい「視点」です。
そして、入居者のニーズは、投資家の方よりも、2歩3歩先んじて敏感に反応しています。

このトレンドのことを、我々は、「不動産投資3.0」と呼んでいるわけです。

──具体的には、「これからのトレンド」とはどういうものなのでしょう?

たとえば、オフィスビルの動向では、テナントは最新のビルを志向しています。
その結果、老朽化ビルの空室率は上昇し、「新しく」「耐震性が優れ」「立地が良い」物件はすぐに満室になる傾向がありますが、都内であっても「古い」「耐震性に不安がある」物件は中々空室が埋まっていません。

このようなトレンドが1年以上前から顕著になってきております。

賃貸不動産その動向と相場

これを無視して、仮に築年数が古い中古物件を、「安い」「利回りが高い」という理由だけで、業者に勧められるままに購入をしたとしても、近い将来必ず行き詰まりに直面することが想定されます。

今は、1981年の新耐震基準は当たり前として、「2007年6月以降に建築申請をしている物件を選ぶこと」という条件が、一般の雑誌にも紹介されるような時代です。

旧耐震基準と新耐震基準

──その変化は実際に現れていますか?

大手企業の事例で申しますと、ブリジストンは2014年1月から、本社を「東京スクエアガーデン」に移転しました。
元の本社のあった場所も京橋なので、移転の決め手は「利便性」ではなく、「築年数」と「耐震性能」が決め手となっています。
以前の本社は、築年数が60年だったんですね。

また、キリンホールディングスもグループ会社を一ヵ所に集めるため、本社機能を中野駅に集中させていますが、これも、「地震、自然災害についての対策のため」という目的もあるようです。

このように、オフィスビルに関しましても、耐震性能が劣る物件から、最新鋭の耐震性能を持つ物件へと、需要がシフトしており、賃貸需要の高い都市部の物件であっても満室物件と空室物件に「二極化」が進みつつある、というのが現実なのです。

これは、今までの、「中古でも、賃料が安ければお得」とか、「利便性が良ければ、多少耐震性には疑問があっても、入居者は必ず付く。だから利回りの良い中古物件こそが不動産投資の全てだ」というトレンド(不動産投資2.0)を、ある意味で否定するトレンドです。

それほどに3.11の影響は大きかったですし、また、「単なる出来事」で片づけてはならない災害である、と我々は考えております。

なぜならば、弊社は、市場に物件を供給する側の立場であり、「入居者の生命の安全」を最も考えなければならない立場にいるからです。

──我が国に大きな傷跡を残した震災を契機に投資環境に変化はありましたか?

「不動産投資」とは、「自分がどのような物件を支持(投資)するのか?」という意味合いもあります。
耐震性能に劣る物件に投資をする、ということは、「人命を尊重した安心・安全な住居やオフィスの提供を増やしていこう」という都市の進化・発展を、阻害する行為であると言ってもいいと思います。

「自分の大切な人の生命をその物件に預けることができるか?」という視点が、今後ますます求められていくのではないでしょうか?

そして、結果的には、そのような物件が、20年後30年後も入居者に選ばれ続け、その利益が投資家の方に流れ、ビジネスとしてもWIN-WINになると考えています。

「ビジネス」の視点で見る、不動産投資3.0

──今は非常に市況が良く、また、政府のインフレ誘導の動きもあり、「資産インフレ」への期待から、不動産投資に期待をしている人も増えていると聞きます。
ただし、投資家の方の中には、どうしても「短期的な視野」や「利回り」の追求といった、投資効率のみに目がいってしまいがちな方も多いかと思いますが、そのような中で、危惧している点、などありますでしょうか?

「不動産投資3.0」という文脈を、「ビジネス」の視点でとらえ直してみますと、「全てのビジネスはお客様があってこそ」という「真実」に気がつきます。

不動産投資とは、すなわち不動産経営です。

ここが、投資と言っても、いわゆる、マーケットで大量に取引される株式や債券を売買するタイプの投資とは異なるところです。

「経営」ですから、「お客様」すなわち「入居者」は何を求めているのか?といった視点が、当然のことながら重要になってきます。

なぜならば、バブル前のような、大量生産・大量消費のトレンドではないからです。

これからマーケットは人口減少、供給過多になっていくにつれて、物件は(お客様に)「選ばれる」ようになります。

投資家の方も、ご自身が物件を購入する時は物件を選ぶ立場にいらっしゃると思いますが、これはあくまでも、自分たちが「買主」の立場の場合です。

物件を所有した瞬間、今度は、自分たちが「ビジネスオーナー」の立場に立つことになります。
つまり、今度は、自身が「選ばれる側」になるわけです。

自身で選んだ物件が、果たして「お客様(入居者)」の目線から見ても合格と言えるのか?
これは特に、中古物件を中心に、「利回り」だけで物件の良し悪しを判断している方には注意が必要なところだと思います。

──今後の不動産投資の「あるべき姿」を一言で表現するとしたら、どのような表現になるでしょうか?

これからは、都市全体が「災害に強い都市」へと進化・成長していくためにも、投資家の方は、「耐震性や安全性に不安が残る物件には投資をしない」、という割り切ったスタンスが成功への近道であると思っております。

そして、都市社会全体が良い方向にスクラップ&ビルドしていけるようリーダーシップを発揮し、次世代の方が安心して暮らしていける環境を、共に創っていく存在であるべきだと考えております。

昨今、多くの企業でCSRを重要視する動きがみられており、企業は利益を追求するだけでなく、組織活動が社会へ与える影響に責任を持ち、適切な意思決定をすることが求められております。

昨今の不動産投資においても投資家の方に求められているのは、自身の利益のためだけに目的もなく不動産投資を行うのではなく、不動産投資を通して社会貢献を行うことができるかが今後の投資家の使命であると考えております。

──今までのお話の中で、「都市の進化・成長」と「投資家のリーダーシップ」という話が出てきましたが、物件を供給する側の御社の立場としては、どのように「不動産投資」のマーケットを健全化していくべきとお考えですか?

このテーマについてはいくつかポイントを述べてみたいと思います。
まず、「業界の健全化」という意味では、投資家の皆さんは、次のような事実があることも知っておくべきでしょう。

以前、ある業界紙の中で、「オーナーが所有物件を少しでも高く販売する方法」として、「賃料を高く設定」し、そこに入居者をつければ賃料と利回りの計算式からの逆算で、物件の「売買価格」を高く設定できる、と書かれていた記事を読んだことがあります。

ただし、物件の販売価格を高くするために賃料を上げるだけでは入居者はつきません。
そこで、「フリーレント」などをうまく活用することで、上記のスキームを実現できる、というノウハウなのです。これは、あくまでも、賃貸不動産を「売る」立場の視点です。

中古物件というのは、このようなトリック的な方法で「売買価格」が決まっていることも少なくはない、ということを投資家の方には是非知っていただきたいですね。

また、この事実を知っている投資家の方には、是非、「正しきリーダーシップ」というものを自身の内面に問いかけていただき、「売主」として、お客様に、正しい価格の提案をしていただきたいと思っています。

──その中でのポイントは?

「都市の再生・進化」という意味では、「耐震基準」「修繕積立金不足」「長期修繕計画」がキーワードです。

阪神大震災の当時、1964年築の賃貸マンションが倒壊し、1階に住む入居者が4名死亡しました。この時は、裁判でオーナーの責任が問われ、オーナーに1億2900万の支払いを命じる判決が出ました。

該当の建物は、1981年以前のいわゆる「旧耐震基準」の建物なのですが、旧耐震の基準も満たしていなかった、ともされています。

2012年に発表された東京都の調査によりますと、都内の分譲・賃貸マンション約13万2600棟(分譲が約5万2600棟、賃貸が約8万棟)のうち、この中の2割弱が旧耐震基準であったことが判明しました(分譲が1万1600棟、賃貸が1万2800棟)。

また、これら旧耐震基準の建物のうち、分譲は約8割、賃貸は約9割が耐震診断すら受けていませんでした。このように、「都市の安全性」という意味でも潜在的な問題は山積みです。「入居者の生命の安全」に責任を持てない物件は、絶対に購入してはいけません。

2006年 日経新聞記事

また、2006年に日経新聞が実施した調査では、築20年以上のマンションを対象に調査を依頼したところ、首都圏のマンションの約6割が修繕積立金の滞納問題を抱えていること分かりました。

せっかく割安な中古を購入できたと思ったのに、管理費・修繕積立金の未納額が300万円あった、という話もよく聞くところです。

このような物件を購入してしまうと、後々処分にも非常に苦労しますので、このような物件の購入は見送るべきでしょう。

──シノケンハーモニーでの
対策は?

弊社の場合、グループの中で、物件の管理・清掃・メンテナンス・施工を全て対応できる体制を整えており、物件の維持管理は勿論のこと、賃料の管理と管理費・修繕積立金の管理を合わせて行うことで、「絶対に積立金の未納が起こらない」仕組みを確立し、そのようなマンションを市場に供給しています。
これも、これからの社会のキーワードとなる「長寿命」のマンションを社会に少しずつ根付かせていくための取り組みです。

また、不動産投資に関わる投資家の方は、経済の血液となる「お金」を有効に使うことによって、我々が暮らしている社会を、より良い方向に導くこともできれば、より劣化する方向にも導くことができる「力」と「責任」を持っている、ということに気が付いていただきたい。

「利回り」だけを追求することで、我々の社会から、「良質な住宅のストック」がなくなってしまう、ということは決して望ましいことではないはずです。

不動産投資は「入居者」が住んでこそ成り立つ投資です。外国人を相手にしない限りは、実際に物件に入居してくれる入居者も、我々と同じ「日本人」の方なのです。入居者を危険にさらす物件への投資は、近い将来、必ず行き詰っていくことでしょう。

これからは、「長寿命」「良質な物件のストック」「都市再生」「安全な住居」がキーワードになってきます。

建物の耐久性「最高等級」劣化対策等級3を積極的に取得

我々が市場に供給する物件は、設計における住宅性能評価で、「劣化対策等級3」を積極的に取得しています。

これは、
「構造躯体などに使用する材料の交換など大規模な改修工事を必要とするまでの期間を伸長するため必要な対策の程度において、通常想定される自然条件及び維持管理の条件の下で3世代(おおむね75年~90年)まで、大規模な改修工事を必要とするまでの期間を伸長するための対策を講じた設計」と言う意味です。

建物の耐久性の等級としては「最高等級」になっています。

物件イメージ

少子高齢化・人口減少・成熟経済など、様々な岐路にぶつかっている我が国の現状ですが、投資家の方々のご協力をいただきながらも、ビジョンとリーダーシップをもって、我が国の良好な建築ストックを次世代に残していけるように使命を果たしていきたい、と考えております。

──初めて、不動産投資を考える投資家の皆さんに
アドバイスをお願いします。

不動産は人生の中でも一番高い買い物となるかと思いますが、資産の構築後には中長期的に安定的な収入が見込める大きな資産となります。そのためにも、どんな物を選べば良いのか自身の状況と照らし合わせ難しい選択をしなくてはいけません。現在の様な時代には、ネット・書籍に多くの成功体験が綴られておりますが、しかし、そんな成功者の真似をして失敗している方が沢山いることも事実です。

シノケンハーモニーでは、不動産投資を始めたいがどうすればいいのか解らないなどといった皆さんの声をいただき、判断基準して不動産投資セミナー開催、また、セミナーにご参加いただけない方々へは、プライベートセミナーなどの提供を行っております。是非一度ご活用いただき、ご参考としていただければと思います。

──本日は貴重なお話、ありがとうございました。

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#016ゲストプロフィール

株式会社シノケンハーモニー


セミナー講師
櫻井 祐輔(さくらい ゆうすけ)


昭和59年2月 千葉県出身。
不動産会社専門の広告代理店を経て当時の取引先であった同社に入社。不動産業界の表から裏まで知り尽くした独自の視点や一人一人の状況や要望に合わせたプランニングは多くの投資家から支持を得ている。セミナーではマーケット情報に加え失敗しない不動産投資方法を指南している。


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