私が将棋から学んだ経営〜『助からないと思っても、助かっている』の精神〜

棋士は「攻め」タイプと「受け(守り)」タイプ

経営者は「勝つための経営」タイプと「負けない経営」タイプ
助からないと思っても、助かっている

“人間には、危険な場所があると思ったときはすぐ引き返すタイプと、ここまで来たんだからいまさら戻れるかとかまわず前に行くタイプがある。どっちを選びますかと聞かれたら、私ならすぐ「戻る方を選ぶ」と答えるに違いない。そうでなければ、「忍」と「しんぼう」の私の信条に叱りとばされるからだ。”

定石を学ぶと、迷った場面で踏み込める
定石(じょうせき)とは、過去の偉人・先人達が、何度も検証し苦労の末導き出した、特定の場面において「良し」とされる手のことを言います。
定石を学ぶだけで、勝負に勝てる確率はまったく変わってきます。
定石を知っているだけで、それを知らない大多数のプレイヤーより、はっきりと優位に立つことができます。
人は、未知の場面で迷います。
どんな一手を指せば良いのか、ああでもない、こうでもないと苦心します。何時間考えても、先を読めば読むほど、パターンが無数にありすぎてますますわけがわからなくなってきます。
しかし、「この局面では、ここに角(かく)を打つと状況が良くなる」など、過去の偉人達が苦労の末導き出した一つの解があるのであれば、まずその手を指してみて損はないはずです。
もちろん、時代とともに、定石は更新されます。昔、正しいとされていたことが、今は正しくないということも何度も起きます。
それでも、温故知新の精神で、過去にあったことをよく学び、先人達の知見を活かして、新たな発想につなげていくことが大事なのかなと思っています。
経営も、将棋同様、持ち時間があるゲームと見ることができます。
何年もずっと同じ局面で考え続けて良いのなら楽ですが、そうではありません。目標があり、期限があります。予期しないトラブルにも見舞われます。
そこでは、決断スピードが重要になります。
たとえ、未知の場面に出くわしても、歴史上の経営者達の知恵を動員すれば、自分の決断に自信を持って、次の一手をエイヤッと指すことができるようになります。
棋士も経営者も、天才タイプの人であれば、感性やひらめきだけで勝負できるのかもしれません。
しかし、少なくとも私はそうではないため、学ぶしかありません。普通の人よりも量をこなすしかありません。学べば学ぶほど、何も知らない自分に落胆しますが、それでも学び続けるしかありません。
目に見える成果が得られない日でも、少しずつ、きっと前に進んでいるだろうと信じて。
▼この羽生さんの扇子を机の近くに置いています!!ただのファンということもあります笑(写真は私物です)
派手に仕掛けたいなら、まず鉄壁の防御を

攻撃にも防御にもなる一手
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