不動産投資を始めたいと思っているものの、リスクが心配でなかなか踏み切れないという人も多いのではないでしょうか。そういった人のために、この記事では「アービトラージ(裁定取引)」を使った不動産投資の方法を紹介します。リスクが気になる人は、ぜひ参考にしてください。
不動産投資におけるアービトラージ(裁定取引)とは
「アービトラージ(裁定取引:さいていとりひき)」とは、商品などの価格差(歪み)を利用して利益をあげる投資手法です。
商品の価格に歪みが生じたときに、高いほうを売って安いほうを買い、価格差が縮小したタイミングを狙って反対売買を行います。
こうすることでリスクを抑えながらも利ざやを稼ぐことが可能になります。主に株式や為替、コモディテイなどで使われてきた手法ですが、最近は不動産投資の分野でも注目を集めています。
不動産の場合、「権利関係」や「利用法」などの要因で価格の歪みが発生します。同じ土地でも、権利関係が複雑に入り組んでいる場合は、処分がしにくいため価格が低くなる傾向にあります。
しかし、時間が経過してさまざま権利が外れて土地の権利関係が単純になれば、それだけで価格の上昇を期待することができます。都心部の駐車場であれば、月極よりも時間貸し駐車場のほうが収益が上がるため、高く売ることができます。
つまり、月極駐車場の土地でも、契約期間が終われば時間貸しとして高く売ることが可能になるということです。こういった、所有している間に条件が変わることで得られる収益を狙う手法が、不動産におけるアービトラージです。
不動産投資でのアービトラージが魅力的な理由
不動産投資の収益は「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」の2つに分類することができます。インカムゲインとは家賃収入などを指し、キャピタルゲインとは、資産価値の上昇によって得る売買差益のことを指します。
大きな利益をあげたい場合にはキャピタルゲインが有利ですが、その分リスクも高いため注意が必要です。キャピタルゲインを得るためには、土地や建物を転売することになりますが、将来値上がりをする可能性が高い物件を手に入れることが大前提になります。
しかし、そのような「目利き」の力を養うことは極めて困難です。不動産市場だけではなく、世の中の市況全体を予測する能力が求められるからです。
アービトラージを使った不動産投資もキャピタルゲインを狙った投資手法ですが、不動産の値上がりを狙う一般的な売買手法とは大きく性格が異なります。
アービトラージは不動産に関する権利や利用法などによる価格差を狙った手法であるため、市況に依存しないという特徴があります。
権利関係などから生じる「理論的な価格差」を利用したものであるため、堅実に利益をあげることが可能なのです。利ざやは決して大きいわけではありませんが、ローリスクでキャピタルゲインを得ることが期待できるという魅力があります。
区分マンションを活用したアービトラージ
アービトラージはいろいろな不動産で活用することができますが、なかでも効果的なものが「ファミリータイプの区分所有・賃貸マンション」です。
つまり、賃貸に出されているファミリータイプの分譲マンションのことです。数はあまり多くないものの、ときどき収益物件として売りに出されているので、見つけたら狙い目といえます。ワンルームに比べると、ファミリータイプの収益物件は利回りが低くなる傾向があるため、低めの価格で購入することができます。
その後は家賃収入を得ることができますが、ファミリータイプ賃貸マンションの入居者は子供の進学やマイホーム購入など、一定のタイミングで退去することがほとんどです。収益物件としては不利なように思えますが、アービトラージを活用するには入居者の退去がポイントになります。
賃貸借契約という権利関係がなくなったおかげで、純粋な分譲マンションとしての市場価値が生まれるからです。リフォームを行ってから販売すれば、相応の利ざやを期待することができます。
分譲マンションを賃貸で購入し実需で売却することで、こういったメリットを享受することが可能になります。ただし、デメリットについても把握しておく必要があります。リフォームなどを行って分譲の区分マンションとして販売するためには、入居者の退去が前提になります。
入居者がずっと住み続けていると、いつまでたってもアービトラージを活用する機会がないままになってしまいます。あらかじめ定期借家で契約しておくなど、退去がスムーズになるための段取りを整えておくことも大切です。
なお、収益用のワンルームマンションについては、ファミリータイプのマンションとは価格の動きが逆になります。アービトラージの手法は利用できないため注意が必要です。
アービトラージを活用して、堅実な不動産投資を
このように、アービトラージには通常の不動産とは異なるさまざまな魅力があります。理論的な価格差を狙うという投資方法であるため、大きなリターンを期待できるというわけではありません。
しかし、リスクを回避しつつ堅実に利益を狙いたいという個人投資家には、有望な選択肢のひとつといえる投資方法です。
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