不動産投資を始めたいけれど、なかなか資金調達が進まないと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。そんな時におすすめなのが、生命保険の契約者貸付制度を利用した資金の調達です。ここでは、制度の内容やメリット・デメリットなどをご紹介します。
そもそも契約者貸付制度とは?
万が一のために生命保険に加入しているという方は多いですが、生命保険の契約者貸付制度とは契約している保険からお金を借りられる制度です。
1,000万円の生命保険に加入しているからその額を借入できるのではなく、今までに払ってきた解約払戻金の中から借入ができます。
解約払戻金とは、加入している生命保険を途中で解約した場合に戻ってくるお金のことです。もちろん貸付の対象となる保険に加入していれば、個人でも法人でも利用できます。
利用方法(一般的な申し込み方法)
申込は、電話かインターネットがあります。契約している生命保険会社に連絡し、申込書を郵送してもらいます。
その際用意するものは生命保険証書(証券記号番号やお客様番号などの情報が記載されているもの)で、必要事項を記入し郵送します。
必要書類は、300万円以下の借入れなら健康保険証や運転免許証などの本人確認書類のコピー、300万円を超える借入れなら印鑑証明書が必要です。法人が契約者の場合、金額に関わらず印鑑証明書の提出が求められます。
貸与限度額
解約払戻金の枠内でおおよそ70%~90%借入ができますが、借入限度額は生命保険会社によって違うので確認が必要です。
利用できない保険もある(掛け捨て/解約返戻金が無いものなど)
契約者貸付ができる保険は、養老保険や個人年金・終身保険などの積立型の保険で、もしもの場合の備えと貯蓄を兼ね備えています。利用ができないのは、月々の掛け金を安く抑えた掛け捨て型の解約払戻金がない保険です。
契約者貸付制度のメリットとは?
一般的なカードローンとの比較を交えて、契約者貸付制度のメリットを見てみましょう。
保険解約の必要がない
契約者貸付で借入をすると、保険の契約を維持したままお金が借りられるというメリットがあります。契約者貸付期間中に入院や手術をした場合も、受け取れる給付金の金額は同じです。
金利が低い
契約者貸付は、一般的なカードローンと比べて、金利がとても低いのが特徴です。銀行カードローンの金利は14.0%~18.0%、消費者金融の金利は17.8%~18.0%、契約者貸付は4.0%~8.0%です。これを見ても分かるように、契約者貸付の上限金利は銀行や消費者金融の1/2以下です。
審査がない
もともと、契約者貸付は、こつこつ契約者が積み立ててきた解約返戻金の中から融資が行われます。当然審査は必要ありません。
一方、銀行や消費者金融から借入をする場合必ず審査があります。信用情報が調べられて、場合によっては融資が受けられないということもあります。
返済期限の設定が無い(保険契約が継続する限り)
契約者貸付は、基本的に返済の義務はありません。期限も銀行や消費者金融のカードローンのように決められていないので、保険の契約期間内であればいつでも返済できます。
仮に返済をしないまま満期を迎えても、借り入れたお金が満期保険から引かれて支払われます。
契約者貸付制度のデメリットや注意点とは
生命保険の契約者貸し付け制度を利用する場合のデメリットや注意点も確認しておきましょう。
利息が複利でつく
契約者貸付の利息は、複利で運営されています。つまり、1年ごとに未払いの利息が借入額に組み込まれるので、返済しないままでいるとどんどん利息が大きくなっていきます。例えば、15万円を5.0%の金利で借入れた場合を考えましょう。
1年間放置した時の利息は7,500円で、2年目の元金は15万7,500円になります。さらに返済しないと利息は7,875円になり、3年目の元金は16万5,375円になります。
このように、いくら金利が低いとはいえ利息が利息を生むので、返済する余裕がない場合は利息だけでも支払うようにした方が良いです。
借入金額と利息合計が返戻金をこえると保険が失効する
契約者貸付は、解約払戻金の限度額までなら何度でも借りることができますが、借入額が解約返戻金を上回れば保険が失効する可能性があるので、限度額ギリギリに借りている場合は注意が必要です。
保険支払事由が発生時に、借入金を差し引いた金額が支払われる
満期時の保険金支払いの時に返済が終わっていないと、借入れたお金と利息を合わせた金額が満期保険金額から差し引かれて支払われます。
その他のデメリット
上記以外にも契約者貸付制度のデメリットとして、手続きをしても消費者金融の様に即日振込みなどはできない点や、貸付をしすぎるといざ解約の時の返戻金が無くなってしまう事などが主なデメリットとしてあげられます。メリットが多い契約者貸付制度を上手に利用する!
資金調達の際に生命保険の契約者貸付を利用するメリット・デメリットの説明でした。契約者貸付は銀行や消費者金融のカードローンと比べ金利が低く審査もないので、すぐに資金が必要な時にとても便利です。
また、保険の内容を維持したまま借入ができるのも魅力になっています。ただ、金利が複利なので利息が膨らみやすく、返済しないまま放置すると保険が失効することもあります。少しずつでも返済しながら上手に利用することがポイントです。
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