2019/09/09
2022/02/24
自分の仕事をみんなに知ってもらうって大事!〜ルールとコミュニケーションの設計〜
スタッフの数がどんどん増えている成長途中の組織にとって、必ず考えなければいけないことがあります。
それが、「ルール」(≒マニュアル)と「コミュニケーション」(≒ミーティング)の設計についてです。
社員が3〜4人の場合と、社員が30〜40人の場合とでは、その設計がまったく変わってきます。
社員の人数が数十名になると、自分たちの仕事をみんながわかるように発信しなければ、後々、大変なことになり得るのです。
全社員が参加する「全体ミーティング」が最も重要な理由
ラルズネットでは、毎週水曜にまとめていろんな会議を行なっています。
「全体ミーティング」「営業ミーティング」「開発ミーティング」「新卒ミーティング」「プロジェクトミーティング」・・等々。
その中でも、会社として最も重視しているのは、全社員が参加する「全体ミーティング」です。
全体ミーティングの目的は2点。
一つ目は、会社が目指している方向性(価値観や優先事項)を全社員で共有するため。
二つ目は、スタッフ同士、お互いの事情がわかるようになるためです。
全体ミーティングでは、会社からの全社的な連絡事項が終わったあと、各部署やプロジェクトメンバーが、自分たちがやっていることを、みんなにわかりやすく報告します。
システム部・デザイン部のスタッフであれば、開発中の画面を見せながら、「自分たちのプロジェクトで、今、こんなのつくってます!」と、みんなをワクワクさせたりといったかんじです。
では、どうして、わざわざ手間と時間をかけてまで、自分たちの仕事を、他の部署の人にまでわかってもらう必要があるのでしょうか?
自分の仕事をわかりやすくみんなに伝えていないと、大変なことになる
当社は、スタッフ数が40名を超えてきましたが、この人数になると、きちんとしたコミュニケーション設計がなければ、誰が何をやっているのかわからなくなってきます。
東京オフィスのAさんは、札幌オフィスのBさんが何をしているのかわからないし、そのBさんも、函館オフィスのCさんのやっていることがわからなくなってきます。
システム部・デザイン部はフィールドセールスが何をやっているのかわからず、フィールドセールスはオフィスサポートが何をやっているのかわからず、オフィスサポートはシステム部・デザイン部が何をやっているのかわからない。
そして、経営陣が、各部署や各スタッフが何をしているのか把握できなくなってきたとしましょう。
すると、何が起きるでしょうか?
たとえば、フィールドセールスは、システム部に「あの機能、まだできないんですか?もう、1年前から言ってますよね・・。私のお客様から、早くしてくれよって、ずっと言われてるんですよ」と言うかもしれません。
それに対し、システム部は、「そんなこと言われても・・。こっちも大事な業務がたくさん入ってるんですよ・・。人がもっといたらできるかもしれないけど・・」と言いたくなるかもしれません。
それに対し、オフィスサポートは、「人を採用してくれってカンタンに言いますけど、めちゃくちゃ大変なんですよ?上の人に決裁もらったり、広告媒体探したり、原稿書いたり、問い合わせ管理したり、試験の準備して面接したり・・」と思うかもしれません。
そこに、経営陣が出てきて、「フィールドセールスは、売上、全然いってないけど、どうなってるの?」「システム部・デザイン部は、あの商品、結局、いつできるの?」「マネージャーは何を管理してたの!?今後のみんなの予定1日ずつ全部出して!報告ルールをもっと細かく見直すから!」
・・という、カオス状態になり得るのです。
周りの事情がわからなければ、誰もがまず、自分の事情を主張してしまうものです。
社員が数名であればまだしも、数十名で、オフィスも複数ある状態でコミュニケーションの設計がおろそかだと、そのようなことが起こってもおかしくありません。
数十名の組織規模になると、自分の事情だけでは前に進めません。
「Aさんの意見を採用すると、Bさんが困り、Bさんの意見を採用すると、Cさんが困る」なんてこともザラにあります。
もちろん、人はみんな違う以上、全員にとって100点の選択肢などありませんが、互いの事情を知るだけで、「なるほど。であれば、それも頷けるかも」と、それぞれを受け入れ、サポートし合っていけるのです。
(もちろん、重要なことの意思決定や、ボトルネックの解消にあまりにも時間がかかっている場合は、チームリーダーがスピーディーに決めた方が良い場合もあります。)
これら、すべての潤滑油になるのが、コミュニケーションです。
コミュニケーションを取り、それぞれが、自分の仕事をきちんとみんなにもわかってもらえば、先ほどのやり取りは、こんなふうになるかもしれません。
フィールドセールスは、システム部・デザイン部に対し、
「自分はこの機能を早くつくってほしいと思っていたけど、他のお客様から、こんなにもたくさん色々な要望来てたんだな。たしかに、自分の伝えた要望は、この中だと優先度はそんなに高くないかもしれないな」とか、
システム部・デザイン部は、フィールドセールスに対し、
「売上を上げるって、こんなに大変だったんだな・・。良いものをつくれば売れるっていうわけじゃなかったんだ・・」など、お互いの苦労がわかり、むしろ感謝が生まれまるのです。
ルールとコミュニケーションは補完関係にある
ルールとコミュニケーションは補完関係にあります。
(どちらかが少なくても、どちらかでカバーできるという意味です。)
仮に、(こんな組織はまずありませんが)、ルールの数がゼロだったり、コミュニケーションの数がゼロだったとしたら、これは破綻します。まるで、警察のいない無法地帯のようなもので、組織とすら呼べません。
次に、会社の初期のころなどは、人やオフィスの数も少ないため、コミュニケーションは取りやすいのですが、最低限、ルールを設定しないと、次第に、好き勝手に行動する人が出てきたり、ミスが多発したりします。
この段階で、ルールを細かくたくさんつくっていく動きが加速します。
ルールをつくればつくるほど、組織の秩序が保たれ、ミスもそれなりに少なくなってきます。
しかし、さらに人数が増えていくと、ある地点を越えたときに、あまりにも細かく設定したルールが足かせになる場合があります。
昔、会社の目標に対し進みが悪いときに、日毎(デイリー)で管理する仕組みを導入したことがあります。
フィールドセールスであれば、個人ごとに、毎日、どれだけ目標から乖離があるかわかる管理シートや、システム部・デザイン部であれば、本来作業が完了するスピードに対し、どれだけ遅れているかなどがすべて見えるようなグラフです。
理論的には、1日単位で厳密に管理すればパフォーマンスが上がると思いがちですが、実際には、効果があまりないどころか、下がったこともあります。
人は、理論以上に、感情で動きます。毎日ガチガチに管理されれば、疲れてしまいますし、自主性も育ちません。
定期的に互いを理解し合うコミュニケーションの場があれば、あまりにも細かい管理は不要
今のラルズネットでは、週に1度の会議で、各自、各部署が報告をし合う形をとっています。
他の企業の人が聞いたら驚かれるかもしれませんが、当社のフィールドセールスは、「必ず○○円、売り上げなければダメだ!」というノルマがありません。
もちろん、「会社としてこのくらいは売り上げたいね」とか、「1人あたり、できればこのくらいは契約しようね」いう目標らしきものはあります。
でも、もしそこに到達しなかったとしても、「今月はどうするんだ!」というような、切羽詰まった議論にはなりません(おそらく、当社がサブスクリプション=月額収益モデルのため、ある程度、余裕があるというのもあります)。
さらに、システム部・デザイン部にも、「必ず○月○日までに、絶対にこの商品を完成させなければダメだ!」という厳密な期限がありません。
もちろん、「期待している人がたくさんいるから、少なくともこのくらいまでに完成させたいね」という大まかな目標はありますが、それも各プロジェクトチームが自分たちで発表するものです。
「そんなやり方で、うまく回るんですか?」と思われるかもしれませんが、それで中だるみしたり、パフォーマンスが落ちるかというと、そんなことはまったくありません。
むしろ、細かく管理していたときより、営業の目標達成率や、プロダクトの完成度が高くなりました。
以前よりも、確実に、「自分たち一人一人がしっかりしなきゃいけない!」「自分たちのことを、みんなにわかってもらおう!」という意識が高くなっています。
それぞれのプロジェクトチームが自主的に、全体向けに新機能の説明会を開いたり、システム部・デザイン部がフィールドセールスに対し、「当社システムの画面上に、この商品への申込ボタンをつければ、追加契約が増えるかもしれませんね!」という提案をしたりなど、部署の垣根を超えた動きが増え、実際に追加契約も増えていきました。
「自分たちしか知らない」という状態がやがて組織にカオスをもたらすことは先ほどお伝えしましたが、「自分たちの仕事をみんなに知ってもらおう!」というスタンスが一人一人に根付けば、部署間のすれ違いや、現場と経営の認識の不一致がなくなり、お互いを助け合うようになります。なぜなら、互いが互いの事情をわかり合えるからです。
ルールとコミュニケーションがうまく釣り合う点を探す
今回は、ルールとコミュニケーションについてお話ししました。
その二つのバランスが取れていないと、以下のような状態を招きます。
ルールとコミュニケーションのアンバランスがもたらす状態
①ルールが多すぎると、スタッフの疲弊感や、主体性の低下、手段と目的の混同などを招きます。
②ルールが少なすぎると、やりたい放題の環境、ミスの多発、属人化を招きます。
③コミュニケーションが多すぎると、業務効率の悪化を招きます。
④コミュニケーションが少なすぎると、必要以上の業務の手戻り(やり直し)や、自己中心的な言動、部署間の対立、現場と経営の認識の不一致、場合によっては悲劇的な状況を招きます。
つまり、ルールに偏っても、コミュニケーションに偏ってもダメで、その二つがちょうどよくバランスするポイントを見つけなければいけません。
このバランスポイントは、組織の規模や、業態によっても、まったく違ってきます。
とくに、急成長中の組織では、そのポイントがめまぐるしく変わってくるでしょう。
さらに、正解が一発で決まる方法はなく、「ルールが少なすぎて失敗した・・」「コミュニケーションが少なすぎて失敗した・・」というように、うまくいかない経験を通じて、だんだんとそのバランスポイントが見えてくるものです。
こうして、ルールとコミュニケーションが最適な配分となり、よりなめらかで強靭な組織になっていくのです。
結論
自分の仕事をみんなにわかりやすく発信すると、お互いが分かり合える!ちょうどいいルールとコミュニケーションの設計が、なめらかで強靭な組織をつくる!
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