×

HOME 学習コラム「教えて!連合隊」 賃貸管理 アパートの大規模修繕にかかる費用と赤字経営にならないための計画
アパートの大規模修繕にかかる費用と赤字経営にならないための計画
賃貸管理
2018/10/01 2018/10/05

アパートの大規模修繕にかかる費用と赤字経営にならないための計画

株式会社ラルズネット 編集部

収益物件全般アパート費用リスク

ポストLINEで送るPocketはてブFollow on Feedlyメール

ポスト LINEで送る

アパートの大規模修繕にかかる費用と赤字経営にならないための計画

大規模修繕工事の内容とは

アパートの大規模修繕にかかる費用と赤字経営にならないための計画

アパートの大規模修繕工事では何を行うのかをまずは理解しておく必要があります。

ほぼ確実に必要になるのが外壁塗装と屋根塗装であり、それと合わせて外壁そのものやコーキングなどの補修、屋上やベランダ、バルコニーなどの防水工事が必要になります。

劣化の状況によってはベランダやバルコニーはコンクリートの敷き直しが必要になって費用がかさむので注意が必要です。

加えて、経年劣化の激しい設備の一斉交換も行うのが一般的であり、給湯器の交換、給水ポンプの取替、エアコンの交換が代表例として知られています。

この他にも、業者に点検をしてもらい、長期的に見て修理や交換が必要な部分については適宜対処してもらうことになるのが基本です。

大規模修繕工事をするメリット

アパートの大規模修繕工事をするメリットは物件としての価値を長期的に維持できることです。

建物は経年により自然に劣化していってしまうため、メンテナンスを行っていないと寿命が来てしまいます。

数十年に渡って運用できるようにするためには特に建物の骨格にかかわる部分の劣化を防ぐことが肝心であり、外壁や屋根を守ることで寿命を延ばせるようにするのが大切です。

大規模修繕工事では外壁や屋根の修繕と塗装を通して当面は安心して使えるようにできます。

一方、賃貸経営をする上では入居者に安心して過ごせる環境を提供しなければなりません。

その観点からも設備の更新や耐震性の獲得などが必要です。

さらに、経営するという観点からは大規模修繕工事には節税対策になるメリットもあるでしょう。

毎年修繕積立金を経費として計上していくことで効率的に必要経費を増やして所得税を減らせるからです。

大規模修繕工事を行う頻度

大規模修繕工事は計画的に行うことが大切であり、建物の劣化を防げるように早めに実施することがポイントです。

しかし、頻繁に行えばそれだけコストもかかり、住人にストレスも与えてしまうことは否めません。

最適な大規模修繕工事の頻度はアパートのメンテナンスの状況によっても異なりますが、通常は10年から15年に一度の頻度で行われます。

外壁塗装や屋根塗装の塗料の耐用年数が10年少々ということが多いため、これ以上の間を空けてしまうのはリスクが高いでしょう。

大規模修繕工事にかかる個々の費用相場

大規模修繕工事にかかる費用はアパートの大きさや構造、築年数や立地などによる影響も大きいので一概に言うことはできませんが、総じて見ると300万~1000万ほどになります。

また、大規模修繕工事のときにどの工事を入れるかによっても大きな差が生じます。その点で重要なのが個々の工事の相場について理解しておくことです。

足場設置

アパートの大規模修繕工事では足場費用は必須です。目安として一平方メートルあたり800円~1200円がかかります。

外壁工事

外壁工事では用いる塗料によってやや費用は異なりますが、一平方メートルあたり10000円~30000円が相場です。

屋上の防水工事

屋上の防水工事は屋上の状態によって施工方法を変える必要があります。その選び方によって費用は異なりますが、一平方メートルあたり3000円~12000円がかかるのが通例です。

バルコニー工事

バルコニー工事についても施工方法の違いがある程度はありますが、一平方メートルあたり6000円~8000円が相場になっています。

給湯器の交換

給湯器の交換には本体の費用と工事費用がかかるので、本体の選び方によって費用も違うので注意しましょう。平均的に見ると一台あたり10万円程度がかかります。

給水ポンプの取り換え

給水ポンプについてはアパートの規模による影響が大きいですが、概ね80万円~250万円が相場です。

エアコンの交換

エアコンの交換は本体の費用と工事費用を合わせて考えることが重要です。一般的には一台あたり5~10万円がかかります。

大規模修繕工事の計画を立てるポイント

大規模修繕工事の計画を立てるポイント

大規模修繕工事の計画はいつ立てるべきかということからよく考えることが大切です。

大きな費用が必要になるため、計画的な積み立てをすることが欠かせません。

赤字経営にならないようにするためには不動産投資を始める時点から考えておくのが必須です。

事業計画書や収支計画書を作成するときに、最初から修繕積立金を考慮しておくと安心できます。

アパート経営のときには修繕費はオーナーが自分で用意しなければなりません。目安として家賃収入の5%ほどを修繕積立金としておくと良いでしょう。

大規模修繕工事の見積もりを取るときのポイント

大規模修繕工事は業者に依頼して実施することになりますが、業者によって費用が異なるので複数社に連絡して見積もりを取り、安くて信頼できる内容の業者に依頼するのが肝心です。

その工事内容が正しいかどうかを判断できるように、予め建物診断を専門家に依頼して行っておきましょう。

その診断結果と照らし合わせて必要な工事が過不足なく含まれている見積もりを出してくれた業者を選べば安心です。

計画性が重要な大規模修繕工事

大規模修繕工事はアパート経営をする上で重要であり、費用も大きいことから計画的に資金を確保しておくことが肝心です。

10年から15年程度に一度は行う必要があるので、予め積み立てをしておきましょう。

事業計画を立てる時点で見積もっておくと収益計画を立てやすく、不動産投資による利益の大きさも把握しやすくなります。

物件を選ぶ時点から費用を想定しておくとより収益性の高い物件を選び出せるでしょう。

この記事を書いた人:株式会社ラルズネット 編集部

関連するキーワード

収益物件全般アパート費用リスク

この記事に関連するキーワード