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賃貸経営中の物件で夜逃げ! 残された家財があるときにとるべき対応
賃貸管理
2020/06/02 2020/06/02

賃貸経営中の物件で夜逃げ! 残された家財があるときにとるべき対応

株式会社ラルズネット 編集部

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賃貸経営中の物件で夜逃げ! 残された家財があるときにとるべき対応

賃貸経営を行う上では入居者とのいろいろなトラブルを想定しておかなければなりません。

入居者が夜逃げしてしまった場合は経営者が勝手な行動をとると意図せず法を犯してしまう場合があります。

トラブルの一つとしてあげられる夜逃げが起きたときに経営者としてどのような対応をとるべきか学んでおきましょう。

入居者と連絡が取れない?夜逃げと思ったらまず何をする?

賃貸物件で夜逃げが起きてしまったら、まずは保証人や緊急連絡先への連絡をしましょう。

その際言ってはいけないワードは、「夜逃げしました」というワードです。

警戒心を高めてしまうことになり、万が一保証人が夜逃げした貸借人と連絡を取れている場合教えてもらえなくなる可能性があります。

また、緊急連絡先への連絡がついた場合にも「安否確認です」などと貸借人を気遣うような対応をとり、穏便に事を進められるようにします。

保証人が行方を把握していない場合には捜索願が出されていないか確認します。

それも確認できない場合、もしもの事態を想定して警察官同行の上合鍵による部屋の確認を行います。

警察官を同行させるのは住居侵入の刑事罰を免れるためと、もしも室内で倒れていた場合事件性のあるものかどうか対応してもらわなければならないからです。

残された家財の処分はしてもいい?

結果から言って勝手に処分してはいけません。

そしてこれは経営者だけでなく、保証人も家具の処分を勝手に行うことはできません。

自力救済という法律違反に問われるだけでなく、住居侵入の刑事罰に当たってしまう可能性があります。

あくまでも家財の所有権は夜逃げした貸借人にありますので、本人の意思なしに処分することはできないというわけです。

また、賃貸者契約も結ばれたままなので、経営者・保証人ともに勝手に立ち入ることはできません。

家財の処分をするにはどうしたらいい?

経営赤字を防ぐためにも家財の処分を行い原状回復を図りたいのは山々ですが、きちんと手続きを踏まないことには例え経営者でもどうすることもできません。

まずは賃貸者契約の解除、そして物件の明け渡しをしてもらうことが必要です。

いくら保証人が協力的だったとしても、保証人に請求できることは滞納した家賃の回収のみであり、契約を解除する権利はありません。

したがって、賃貸者契約の解除には保証人から貸借人に連絡してもらい賃貸者契約を解除してもらうか、連絡がつかない場合裁判で明け渡し訴訟を起こし強制的に賃貸者契約を解除・物件の明け渡しを行います。

賃貸者契約が解除され、部屋の明け渡しが完了することによってようやく家具の処分を行うことができるようになります。

そもそも夜逃げを防ぐにはどうすべき?

残念ながら家賃滞納による夜逃げは珍しいことではありません。

夜逃げを未然に防ぐには、貸借人の細やかな変化を察知することが重要です。

郵便受けにチラシが溜まっていたり、電気・ガスメーターが止まっていたり、家賃の支払いが遅れるようになったら要注意です。

貸借人と連絡がつかなくなるまえに、安否確認などと称して接触しておくことをおすすめします。

その際家賃を滞納しているからと言って無理に回収しようとするのは避けたほうがよいでしょう。

なぜなら、夜逃げを促進したり最悪自殺に追い込んでしまう可能性が高くなるからです。

このような貸借人には親身になって相談に乗ってあげたりすることが重要です。

また、住宅手当緊急特別措置法という国による助成金支援があります。

市町村役場や福祉事務所への相談・申請をしてもらうように促しましょう。

滞納保証会社を利用しよう

賃貸契約を締結するには保証人の存在が必要不可欠です。

最近では保証人がいなくても賃貸契約を結びたい人のために、滞納保証会社を利用・推進する経営者も増えています。

滞納保証会社を利用するメリットは、家賃滞納もしくは夜逃げが起こってしまった場合の対応をすべて滞納保障会社が行ってくれることです。

経営者自ら保証人への連絡を取ったり訴訟を起こしたりする必要が無くなり、負担を減らすことができます。

デメリットはと言えば、貸借人への負担が掛かると言う点です。

滞納保障会社を仲介しない場合、経営者が親身になって相談したりすることで貸借人の心の負担を減らすことができます。

もちろん滞納保障会社に頼るだけではなく、日頃から入居者の細やかな変化に気を配り滞納保障会社と同時進行で対応していく必要があります。

夜逃げの被害にあっても慌てないために

経営者として貸借人とのトラブルは避けられないものです。

万が一夜逃げが起きてしまったら、まずは冷静に対処法を練りましょう。

経営者には物件の所有権はありますが、部屋の所有権は賃貸契約を結んだ貸借人にあります。

勝手に入ったり、家財を処分してしまったりすると法律違反や住居侵入の刑事罰に当たり、逆に訴えられる可能性も無くはありません。

そのようなトラブルを防ぐためにも、慎重な行動が必要になります。

心配がある場合は弁護士など然るべき機関に相談してから対応するのもよいでしょう。

最近はご近所付き合いも希薄になり、入居者は孤立しがちですが経営者として必要以上に気配りすることは決して悪いことではありません。

物件や入居者に気を配ることによって入居者の満足度が上昇し、夜逃げを防ぐこともできます。

信頼の置ける良き経営者を目指すことも夜逃げを防ぐためには重要です。

この記事を書いた人:株式会社ラルズネット 編集部