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法人として不動産購入をする場合の融資の受け方
ファイナンス
2020/05/12 2020/05/12

法人として不動産購入をする場合の融資の受け方

株式会社ラルズネット 編集部

収益物件全般アパート費用購入リスク融資法人化

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法人として不動産購入をする場合の融資の受け方

アパートなど投資対象としての不動産が注目を集めており、事業として不動産投資を始めたいという方が増えています。

その際は融資を受けて不動産を購入することが一般的ですが、法人として融資を受ける場合には注意しておくべき点がいくつかあります。

ここでは基本的な融資の受け方や、押さえておきたいポイントについて解説していきます。

最初に審査されるポイント

不動産購入のために法人として融資を受けようとした場合、当然のことながら金融機関の審査基準を満たしておく必要があります。

審査基準は金融機関によってかなり異なってきますが、審査されるポイントについてはある程度共通しています。

まず最初に審査されるのは購入する不動産の「担保価値」です。

金融機関は融資する際の担保として、不動産に抵当権を設定します。
そのため、融資できる金額は不動産の担保価値に比例するのです。購入金額ではなく、あくまで担保価値であることに注意が必要です。

金融機関の多くは、土地を評価する時に「路線価(相続税路線価)」を利用します。

また、建物の評価は「再調達価格」と「経年劣化」を考慮したものになります。
融資を申し込む際は、購入金額が土地と建物の評価に見合ったものであるかを十分に吟味することが大切です。

「信用」の審査とは

次に、法人の「信用」について審査されます。

この審査では、一定の返済負担率をクリアしていることが大前提です。
つまり、収入に対しての返済額の割合が問われるということです。

経営状況だけでなく、過去の返済状況についても事故が無いことが前提になります。
返済遅延などの事故があった場合、信用情報登録機関に事故歴が記載されてしまいます。

これがいわゆる「ブラックリスト」で、もちろん融資を受けることはできません。

法人としての財務状況や信用についてだけでなく、代表などの個人の資産背景や信用についても審査対象になることにも注意が必要です。

法人としての評価が優れていても、個人の信用が低い場合は融資を受けることができない可能性があります。これを満たしたうえで、債務状況や過去に遡った決算情報を材料として、融資額が決定されます。

決算情報は「直近の3年間」など、法人の規模や融資金額の規模によっても変わります。

最後に、金融機関の設定する「掛け目」についても知っておく必要があります。

返済負担率や信用の審査を満たしていても、不動産の担保価値がそのまま融資可能額になるわけではありません。

災害や風評被害などのリスク要因を金融機関が算出し、その割合を掛けた額が融資可能額になります。
特にリスクを嫌う銀行系は70%前後と低いことが一般的です。

法人の不動産購入における融資の受け方

融資可能額は法人の財務状況によって大きく変わってくるため、少しでも財務状況やその見せ方を良くしておくことが大切です。

まず審査の対象となる貸借対照表(B/S:バランスシート)ですが、各勘定の比率には細心の注意が必要です。

具体的には当座比率、負債率、自己資本比率(純資産比率)ですが、安定した財務状況をアピールするためには当座比率や自己資本比率が高いほど有利になります。
損益決算書(P/L:プロフィット&ロス)は、売上総利益、営業利益、経常利益の数字が重要です。

2期連続で赤字が続く場合は不利になることが多く、今後も経常的な赤字になる可能性が高いと判断される恐れもあります。

これまで不動産投資を行っているのであれば、事業の実績も大切な審査ポイントになります。
入居率などに状況報告に加え、事業として黒字体質であることが求められます。

融資を受ける際は、これらの財務状況や実績を金融機関にわかりやすくアピールする資料作りを心掛けることが大切です。

法人として融資を受けるときの金融機関の選び方

融資を受ける際、金融機関によって融資の条件が大きく異なります。そのため、融資申し込みの前に各金融機関の特徴を整理しておくことが大切です。

「メガバンク」は金融機関の代表的な存在ですが、審査基準は一番厳しいということに注意が必要です。審査にも時間がかかり、周到な用意が求められます。

しかし、金利は金融機関の中でも最も低いことが多いので、チャレンジしてみる価値は十分にあります。
全国に支店があるため、対応エリアが広いという特徴もあります。

メガバンクの基準を満たすことが厳しい場合は、「地方銀行」という選択肢があります。
普段から取引があり、投資対象も地方銀行のカバーするエリアである場合は非常に有利になります。

ただし、物件や融資を受けようとする法人が全く関係のない地域の場合は、融資が難しくなることが一般的です。

不動産投資事業などへの柔軟な対応を期待する場合は、「信用金庫」が向いています。
融資に関しては「アパートローン」のようなパッケージではなく、「事業性融資(プロパー融資)」という形を取るためです。

一方、全くの新規では厳しい場合もあるため、取引実績がない場合は紹介者を間に立てると交渉がスムーズになります。

なお、新設法人に関しては事実上個人の属性が審査されることになります。
そのため、個人向けの融資にも積極的な金融機関を選ぶことが大切です。

地銀などが無理な場合、「ノンバンク」であれば融資を受けられる可能性が高くなります。

状況に合わせて金融機関を選ぶことが大切

このように、不動産投資のために法人が融資を受ける場合は、金融機関によって審査基準が異なってきます。
その際にポイントとなるのが購入する「物件」と、法人や代表個人などの「属性」です。
物件の評価が高くとも法人の信用が低ければ融資の条件が悪くなり、逆の場合も同様です。

しかしながら、全ての法人がこの条件を満たすことは不可能です。
そのため、それぞれの状況に合った金融機関を選択することが大切なポイントになります。

また、複数の金融機関に融資の打診を行うことも重要です。
1つの金融機関のみでは、審査が否認された場合に時間の無駄になるだけでなく購入予定の不動産を買えなくなってしまうからです。

また、比較することでより良い融資条件を引き出せることもあります。
不動産事業を成功させるためには、各金融機関の特徴を把握し、戦略的に融資を申し込みましょう。

この記事を書いた人:株式会社ラルズネット 編集部

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