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収益物件は木造・RC造どちらがいい?

不動産投資を行う上で、重要なポイントがいくつかあります。収益物件の構造の種類もそのうちの一つです。
アパートやマンションなどは主に、木造とRC造が多く見られますが、これらはそれぞれ特徴をもっており、投資を行う上で重要なポイントになります。
 
ここではそれぞれのメリットやデメリットについて説明します。

木造物件のメリット

収益物件は木造・RC造どちらがいい?

木造建築の物件を購入する際の一番の魅力は、物件の価格が安く融資が受けやすいことです。大きくても3階建てくらいまでのアパートが多く、上物が低コストであり短期間で建てられることが特徴です。
一般的に建設に必要な費用は、一坪あたり約40万~60万円とされています。

それに対し、RC構造の一坪あたりの平均建設費用は約70万~100万円です。その結果、RC構造よりも購入金額が安いとされています。
 
また、造りが単純であるため、リフォームがしやすくメンテナンスにおける維持費や解体費用もRC構造よりも少額で済みます。

加えて、毎年各市町村に支払う固定資産税が安いのもメリットです。経年劣化が早いとみなされている木造建築は、RC物件に比べて納税額は4分の1程度とされており、収益を残しやすいとされています。
 
法定耐用年数はRC物件が47年なのに対し、木造物件は22年です。そのため、減価償却が早く、節税効果が高くなります。

木造物件のデメリット

木造建築は、通気性が高く日本の風土に合う建物とされています。木は部屋の湿度が高ければ水分を吸収し、湿度が低い時は空気中に水分を放出する働きをします。
 
しかし、通気性が優れているために、機密性が低く、冷暖房の効きが悪いとされており、その結果冷暖房費が高くつくこともあります。

また、音が伝わりやすく遮音性が低いこともデメリットとしてあげられます。他人の生活音が気になるばかりでなく、自分の生活音が響いているのではないかという懸念も出てきます。
 
その他にも、木造建築は劣化が早いとされており、その都度メンテナンスの費用がかかります。
主な原因として、水分によるもの、腐朽菌やシロアリなどの生物によるもの、接合部分の金属の腐敗によるものがあります。
 
これらの要因もあり、法定耐用年数が短いために金融機関からの融資期間が短く設定されています。借入期間が短期であると、月の返却額も増え、手元に残るお金が減るので、キャッシュフローが出しにくくなります。

RC造物件のメリット

RC造は、鉄筋と強いコンクリートを組み合わせて作られた建物なので、大変強い強度を持っています。そのため、耐久性や耐火性、耐震性や防音性に優れていることがメリットとしてあげられます。
 
他にも、セキュリティがしっかりしていることが多く、客付けしやすいことが特徴です。

また、木造のように害虫の被害にあうことがないので、害虫対策のコストがかかりません。
 
一般的には数10年から100年間住むことが可能とされており、資産価値が下がりにくく、家賃の下落も少ない傾向にあります。室内の機密性は高く、気温や湿度をコントロールしやすいので、冷暖房費の節約にもつながります。
 
さらに、コンクリートを流し込んで作るので、建物のデザインの幅が広いこともメリットとしてあげられます。そのため、現代風の建物なども多くみられます。
 
金銭面では、税務上の耐用年数が長く長期借入がしやすいこと、一棟で規模の大きな投資を行うことができます。

RC造物件のデメリット

RC造は、木造に比べて規模が大きく、材料費や地盤強化等の費用がかかります。そのため、物件の売買価格が高くなります。
 
価格が高いということは、金融機関からの融資額も多くなり、返済額が高くなると、それなりの家賃収入を見込まなければなりません。

また、これらの費用だけでなく、解体費や維持費も高いとされています。
木造のような簡単な造りでなく、規模も大きいので、これらの費用は利回りに影響することがあります。
 
他にも、都市計画税や固定資産税も懸念材料の一つです。これらは、土地と建物の評価額にそれぞれの標準税率を掛けたもので算出されるので、木造に比べ必然的に金額が高くなります。
客付けがしやすい反面、競争率が激しく賃料を高く設定する必要もあります。機密性が高いことがメリットですが、反面結露が発生しやすいデメリットもあります。
 
定期的なメンテナンス費用がかかる場合があるので、立地や間取りに注意することが必要です。

収益物件で不動産投資をするならどちらを選ぶべき?

木造とRC造のそれぞれのメリットやデメリットについて解説してきました。
 
不動産投資をする際は、これらの条件だけでなく、自分の年収や金融資産を考慮し、ライフプランにあった物件を選ぶことが重要です。
 
投資を始める年齢や、生活環境や将来の目標など、条件は人によってさまざまです。ライフプランについては、その道のプロである専門家に相談した上で話を進めることが大切です。

また、建物を建築する場合には、用途地域があるので注意しましょう。用途地域とは、土地利用の用途を制限する規制を言います。
 
建設しようとしている土地がどのような制限をうけているのかを知ることは、土地を活用する上で重要なポイントですので、不安な場合はこちらも一度専門家に相談したほうが良いでしょう。

この記事を書いた人:株式会社ラルズネット 編集部