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老朽化物件は建て替えと売却どちらがよい?
出口戦略
2018/01/26 2024/09/11

老朽化物件は建て替えと売却どちらがよい?

株式会社ラルズネット 編集部

アパート売却

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老朽化物件は建て替えと売却どちらがよい?

アパートなどの老朽化物件を所有している場合、悩ましいのが建て替えをするか、大規模リフォームをするか、売却してしまうかという問題です。

ここではそれぞれのメリットとデメリットを挙げていくことで、3つの選択肢のどれを選ぶべきなのかを考えます。

老朽化物件の建て替えをするメリット、デメリット

まずは建て替えのメリットとデメリットから見ていきましょう。

メリット

築後30年、40年を過ぎた賃貸物件はさすがに劣化が目立ち、物件の人気も落ちているでしょう。
建て替えは、そんな入居率の低落を一気に巻き返す手段となります。
 
建て替えであれば、間取りやデザイン、設備などを自由に選択できるので、これらを一新すれば入居率の好転が期待できます。
特に賃貸面積や部屋数を増やせる場合はメリットが大きくなりますし、建て替え時は新たな減価償却が発生するため、節税効果も得られます。
さらに、1981年以前の建物は古い耐震基準で建築されているので、建て替えによって地震による倒壊リスクも軽減できます。

デメリット

建て替えの際は銀行などから新たに融資を受けなければならないでしょう。経営が順調にいかなければ多額の借金が残るリスクがあります。
 
また、現在の入居者に退去してもらうための手間とコストも計算に入れておく必要があります。
建て替えの間は、これまでは毎月入っていた家賃収入がゼロになることもデメリットです。

老朽化物件を売却するメリット、デメリット

次に売却する場合について見てみます。

メリット

現金化することで資金を回収できるのが最大のメリットです。
キャピタルゲイン(売却益)を得られれば、それをそのまま資産として保有することも、次の投資に活かすこともできます。
 
たとえ思ったほどの価格で売却できなかったとしても、少なくとも毎月の維持費がかかる、これ以上の損失が続く、あるいは不動産としての価値が今後低落するリスクから解放されることになります。

デメリット

空室の多い老朽化物件は簡単には売れないという問題があります。
建物と土地のセットでは、土地だけで売却する場合よりもかえって価格が安くなるケースも珍しくありません。
 
ただ、更地にして土地だけを売る場合は、建物の取り壊し費用などがかかることを想定しておかなくてはいけません。
また、不動産売却時には印紙税、譲渡所得税、住民税がかかります。

老朽化物件を大規模リフォームするメリット、デメリット

では、大規模リフォームをする場合はどうでしょうか。3つ目の選択肢として考えます。

メリット

大規模リフォームは、建て替えよりも安いコストで新築に近い形にリニューアルできる可能性があります。
また、新築ほど自由度は高くなくても、人気の設備を部屋に備えて物件の付加価値を高めることが可能です。そのことにより入居者を増やすだけでなく、家賃を上げることもできるでしょう。

デメリット

建て替えよりも安くリフォームできるのであれば意味がありますが、老朽化物件ではどちらもあまりコストが変わらないというケースもあります。
特に耐震補強には費用がかかり、その点が悩みどころとなるでしょう。

建て替え・大規模リフォーム・売却を選ぶ基準は?

3つの選択肢のうちどれを選ぶかは、すでにローンが完済している場合、立地条件で判断するのがセオリーとなります。

物件を最初に建てたときとは時代が変わり、環境も変わっているので、改めて立地について調査・分析し、建て替えや大規模リフォームによってどの程度の入居率が見込めるのかを予測する必要があります。

人気のエリアであれば建て替えや大規模リフォームが有力な選択肢になり、逆であれば売却して得た利益を別の場所の不動産投資にあてたほうが良いかもしれません。

建て替えか大規模リフォームかは、リフォームが建て替えの2分の1程度にコストを抑えられるのであれば、リフォームも十分に検討の余地ありと言えるでしょう。

ただ、その場合も、大規模リフォームで果たして今後何十年も経営を続けていけるかという視点で考えてみることも必要です。

ローンを完済した賃貸物件は、安定した家賃収入を持続的に得ることのできる貴重な財産です。しかし、老朽化によって入居率が落ちてきたときには、なるべく早めに「次の一手」を考え、計画することをおすすめします。

この記事を書いた人:株式会社ラルズネット 編集部

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