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収益物件を売却する前にしておきたい査定はどのような方法がある?
出口戦略
2018/02/01 2018/05/29

収益物件を売却する前にしておきたい査定はどのような方法がある?

株式会社ラルズネット 編集部

収益物件全般売却

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収益物件を売却する前にしておきたい査定はどのような方法がある?

収益物件を売却しようと考えたときには不動産会社に評価額の査定を依頼することになります。
ところでこの不動産物件の査定とは、どのような方法で行われるものなのでしょうか。
収益物件など不動産物件の査定方法の代表的なものをご紹介します。

収益物件の査定方法の種類

収益物件に限らず、不動産の査定方法にはさまざまな方法があります。
以下の3種類はその代表的な査定方法です。それぞれの概要を知っておきましょう。

原価法

原価法は不動産の再調達原価をもとにして評価額を求める方法です。

再調達原価とは、仮に対象となる不動産を現段階で新しく建物を建築、または土地を造成するとしたらいくらになるか、という考え方で算出する原価のことです。
そしてその価格から、建築後の経過年数に応じて低下する分の価格を控除(減価修正)して、対象不動産の現在の価格を推定します。

再調達原価は直接法と間接法のいずれか、もしくはこの2つを併用して算出します。
直接法では対象不動産を精査して、それとまったく同じ工事をしたら現在どれくらいの費用がかかるのかを計算します。間接法では近隣にある類似した不動産などを参考にして対象不動産の原価を求めます。

例えば農地や林地を新しく宅地にしたような場合は、近隣の事例から工事費などを確認することができるため、再調達原価を求めやすいと言えます。

逆に、昔からある住宅地(既成市街地)などの土地は再調達原価を把握することが難しく、あまり原価法は向いていないとされます。

また、原価法で求められる評価額は積算価格と呼ばれます。

収益還元法

収益還元法は、その物件が将来どれくらいの収益を上げられるのかという収益性に着目し、そこから現在の不動産価格を求める方法です。収益物件の査定で多く使用されるのはこの査定方法です。

収益還元法には、直接還元法とDCF法の2種類の計算方法があります。

このうち直接還元法では以下の計算式が用いられます。

不動産価格(収益価格)=1年間の純収益÷還元利回り

ここで言う純利益は家賃収入から経費などを差し引いた実質的な利益のこと、還元利回りとはその不動産から得られる投資利回りのことです。

また、DCF法は、将来得られるだろう利益と売却時の予想価格を、現在の価格に置き換える際に割り引いて、その合計額を算出する方法です。
なぜ割り引くかと言えば、将来に得られるお金と現在得られるお金があれば、現在得られるお金を選んだほうが、将来金利が付くなど得をするケースが多いためです。
また、将来得られるだろうお金は絶対に得られるとは限らないというリスクを伴うからでもあります。

収益還元法で求められる評価額は収益価格と呼ばれます。

取引比較事例法

取引比較事例法はその不動産単体ではなく、近隣など対象不動産と条件が近い物件の取引事例を多数収集し、適切な事例の選択をして価格判定の基準とする方法です。
また、必要に応じて対象不動産の事情補正や時点修正を加えて、地域要因や個別的要因を含めて比較評価します。

事情補正とは個別の特殊な事情が取引価格に影響していると判断される場合に行う補正です。そして時点修正とは不動産価格が常に変動する価格である点を鑑みて、取引などの時点での価格の修正を行うものです。

取引比較事例法で求められる評価額は比準価格と呼ばれます。

収益物件の売却を失敗しないための査定ポイント

収益物件を売却する際は、不動産会社に査定を依頼することになります。
その際に重要なのは、1社のみではなく数社に査定依頼をすることです。査定には高度な専門知識が必要ですが、複数の不動産会社から査定額(評価額)を提示されれば、それを比較することで誰にでも平均的な査定額が分かります。

また、無料で受けられるような簡易査定を試してみるのも無駄ではありません。
およその目安でも査定額について把握できれば、売却について考える際の判断材料になります。こちらも複数の不動産会社に依頼することで、実際の査定額に近い数字が見えてくるでしょう。

不動産の査定は非常に専門性の高い分野です。
 
素人には分かりづらい点もありますが、その計算方法や査定の仕組みについて大まかにでも把握していれば、所有している収益物件の価値について理解する助けになるでしょう。

この記事を書いた人:株式会社ラルズネット 編集部

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