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アパートの建て替えに欠かせない入居者への立ち退き交渉
出口戦略
2018/06/04 2018/06/28

アパートの建て替えに欠かせない入居者への立ち退き交渉

株式会社ラルズネット 編集部

アパート費用トラブル成功

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アパートの建て替えに欠かせない入居者への立ち退き交渉

アパートの経営をしていると、建物の老朽化のために建て替えを考えることもあるでしょう。ただ、建て替えの際には入居者に退去してもらう必要があり、立ち退き交渉をしなくてはいけません。
 
立ち退き交渉ではトラブルが発生するケースも見られ、お金もかかりますので慎重に行う必要があります。
 
そこで今回はアパートの入居者への立ち退き交渉について、スムーズに行うポイントも交えて紹介します。

立ち退きが必要なケースって?

アパートの建て替えに欠かせない入居者への立ち退き交渉

アパートは外観や内装、設備の新しさによって空室率に差が出ます。

また、建物自体が古くなってくると内外装や防水などに老朽化が生じ、修繕費用がかかりすぎることも考えられるでしょう。
手入れをしない状態で賃貸経営を続けていると、建物付属設備の耐用年数が経過するため減価償却費が下がります。
減価償却費が下がれば所得税などが増え、手元に残る剰余金が減ってしまうことで経営にも影響してくるのです。
 
その他にも古い木造のアパートは火災など防災上の心配もあります。そのため、古いアパートは改修や建て替えを行い、賃貸物件としての魅力をあげることで空室率を下げ、収益を上げるのがいいでしょう。

しかしながら、建て替えの場合には現在の入居者に退去してもらう必要があり、立ち退き交渉をする必要があります。
 
また、建て替えのほかにも物件を更地にして売却を考える場合や、家賃を滞納している入居者がいる時、入居者の中に不当行為をしている人がいるケースにも立ち退き交渉は必要です。

立ち退き交渉にはどのくらいの期間が必要?

建て替えを理由として立ち退き交渉を行う場合には、オーナー側から賃貸契約を解約します。
ただ、借地仮家法では「正当事由なくして解約はできない」とされていますので、解約に関して「正当事由」が証明する必要があります。

しかし、正当事由には明確な基準が存在せず、個々の事情で判断されます。そのため、相応の理由を明示し入居者の納得を得なくてはいけません。

また、入居者としても来月建て替えるから立ち退きをして欲しいと言われても、次に住む場所を見つけるための時間が必要ですので、すんなりと立ち退きに応じてくれないこともあるでしょう。
 
立ち退き料に折り合いがつかない場合には、交渉が長引くことも考えられます。
そういったことを考えても立ち退き交渉から明け渡しまでの期間は余裕を持って設けておくことが大切です。
 
賃貸借契約の解約交渉は法的には6カ月前からとされていますが、立ち退き交渉には6カ月から1年はかかると考え、1年前またはそれ以前から解約の申し入れをしておくのがいいでしょう。

どうすれば上手くいく?立ち退き交渉を成功させるポイント

アパートの建て替えのために入居者に立ち退きを求める場合、入居者には非がない場合が多いため法的な強制力を持って立ち退かせることはできません。
 
そのため、オーナー側には「正当事由」が必要ですが、それ以外にも「一定程度の補償」の支払いが求められます。

この一定程度の補償というのは「立ち退き料」ともよばれ、正当事由を補うのものとして考えられています。
アパートの老朽化のために建て替えるといった理由であれば正当事由が弱いため、立ち退き料を多く支払うことで立ち退きに納得してもらいやすくなります。
 
逆に地震などで建物が傾いてしまった場合などであれば、明らかに危険が存在しているためしっかりとした正当事由があると判断されますので、立ち退き料が不要となる可能性もあります。

立ち退き交渉をスムーズに行うためには立ち退き料を期限付きで支払うことを通知しておくのがいいでしょう。
どのくらいの期間にわたって支払われるかが分かっている場合には入居者にとっても安心感が得られます。
 
また、引っ越し先を斡旋することも大きなポイントです。アパートに古くから入居している人の場合には今の家賃と同じ家賃水準で借りられる物件探しが非常に難しく、高齢者や収入が少ない人にとって引っ越し先が見つからないケースも少なくありません。
そのため、引っ越し先が見つかるようにフォローしておくと立ち退きがスムーズにすすめられます。

立ち退き料には相場はある?

実際に立ち退き料を考える際、その相場が気になると考える人も多いでしょう。一般的には家賃の数カ月分や引っ越し先の初期費用を負担する場合が多くみられます。
 
ただ、立ち退き料には相場はなく、交渉をしていくなかで決定していきます。
例えば、家賃の6カ月分を支払うことをあらかじめ提示しておいた上で「2カ月以内に退去いただけるのであれば家賃の10カ月を支払う」などと交渉すると、立ち退きに応じてもらいやすいといえるでしょう。

また、引っ越し先の初期費用には引っ越し代や敷金、礼金、仲介手数料などを支払うことも多くみられます。
さらに現在の住居の敷金を返却するなどといったケースもあります。

立ち退き料を支払う前に注意しておきたいこと

立ち退き料を支払う際には、いくつかの点に注意しておかないことには立ち退きが難航してしまうこともあります。
 
まず、立ち退き料を支払う期限をしっかりと設けなかった場合には、何カ月もズルズルと要求され続けてしまうことも考えられます。そのため支払期限はあらかじめ明確にしておきましょう。

また、他の入居者に自分がどのくらいの立ち退き料をもらったのかを話されてしまうと、他の入居者から立ち退き料の値上げを求められることも少なくありません。
立ち退き料の金額や補償内容について他の入居者には言わないように注意を促し、多言した場合には支払わないことを通知しておくことも重要です。
 
さらに立ち退き料は完全退去を確認してから支払うことも明確にしておきましょう。オーナーと入居者の間でコミュニケーションにすれ違いが起こってしまうと立ち退きがスムーズに行えませんので、法的知識をふまえた上で慎重に事をすすめるのが肝心です。

専門家に相談するとスムーズな立ち退き交渉が可能です

アパートの立ち退き交渉は、あくまで「話し合い」による解決が求められますので、交渉には期間がかかることや立ち退き料がかかることも覚悟しておきましょう。
交渉が難航しないようにあらかじめ期日などを明確にし、引っ越しなどのサポートも行うのがおすすめです。

ただ、こういった立ち退き交渉は慎重に行う必要がありますので、不動産経営に関する専門家に相談するのもいいでしょう。
 
入居者との交渉に長けた専門家に相談することで、立ち退き交渉がスムーズに行えます。

この記事を書いた人:株式会社ラルズネット 編集部

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