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2019/07/25 2019/10/24

めんどくさいモノは使われない! 〜「思考の手間」を徹底的にカットせよ〜

鈴木常務鈴木常務

考え方社風ワークスタイル仕事内容発想力企画プロダクト開発デザイン

めんどくさいモノは使われない! 〜「思考の手間」を徹底的にカットせよ〜

「めんどくさい」には2種類ある 〜「作業」と「思考」の手間〜

「めんどくさいモノ(製品)は使われない!」
 
今回はそんなお話です。
 
もし、あなたがこれからエンジニアやデザイナーとして何かしらのプロダクトを作ることになるのであれば、とにかく「めんどくささ」に敏感でなければいけません。
 
人が感じる手間(めんどくささ)には、2種類あります。
それは、「作業の手間」と「思考の手間」です。
 
手間と聞くと、ほとんどの人がまず思い浮かべるのは、「作業の手間」ではないでしょうか。
やることが多いと、めんどくさい。これはわかりやすいですよね。
 
しかし、これからは、相手の「作業の手間」だけでなく、「思考の手間」を徹底してカットするものづくりが重要になってきます。
 
考えるのってめんどくさい。もう、頭を1ミリも使いたくない。
誰もが今、そんな時代に生きているからです。

製品に対し、時代が求めてきたこと 〜昔・ちょっと前・今 それぞれの違い〜

昔に求められていたこと

学生の皆さんがまだ生まれる前、世の中にありとあらゆる不便が蔓延していたころ、最も求められたのは「機能」でした。
 
川で洗濯していた時代に、洗濯機が発売されたなら、それは飛ぶように売れます。
 
うまくできないことが多すぎたため、うまくやってくれる「機能」が受け入れられたのです。

ちょっと前まで求められていたこと

その後、あれもこれもできる機能を持った製品が世の中に出回り、「機能」では差がつかなくなりました。
 
どの洗濯機も素晴らしく汚れが落ちるし、どの炊飯器もお米がしっかりと炊けます。あまり吸わない掃除機なんて、見つけるのが難しいくらいです。
 
このころから、不便の定義が変わってきました。
 
機能の有無より、「作業の手間」がかかるモノから順に不便だと思われるようになりました。
 
言い換えれば、いろんな機能がついていて当たり前の時代に求められたのは、「カンタンさ」でした。
 
たとえば、ヤフオク後、メルカリが出たときに「これ、カンタン!手軽!」と感じた人は多いと思います。
わかりやすさもあったと思いますが、誰かに物を売って届けるまでの工程が単純に少なかったのです。

今、求められていること

では、現代はどうでしょうか。
 
今では、カンタンが当たり前になりました。
カンタンではないモノもまだけっこう残ってはいますが、それでも、多くの製品がカンタンに使えるようになりました。
 
こうなると、不便の定義がまた変わります。
 
現代の不便は、「作業の手間」から「思考の手間」に移っています。
 
つまり、「あれこれ考えさせないでくれ!」ということです。
 
CASHというアプリがありますが、企画者の構想を目にしてすごいなと思ったのが、「メルカリですらめんどくさいと思った」とのこと。
 
「商品の写真をキレイに見えるように撮影し、相手が魅力的に感じるコメントを考えて、丁寧にメッセージをやり取りして・・等々、換金するまでに頭を使うことが多すぎる。だから、スマホカメラで持ち物をパシャっとやって、次の瞬間、お金が振り込まれる。そういうサービスを作りたかった」というのです。
 
これは、「作業の手間」だけでなく、「思考の手間」をカットした最もわかりやすい事例だと思います。

時代ごとのまとめ

時代に求められてきたことの移り変わりを、企業側のアピールコメントとしてまとめると、
 
【昔】
「この製品はすごいですよ!あんなことも、こんなこともできます!」
 
【ちょっと前】
「この製品はすごいですよ!あれこれできるのはもちろん、こんなにカンタンなんです!」
 
【今】
「この製品はすごいですよ!あなたは、ほとんど何もしなくていいし、何も考えなくていいんです

選択肢の多さは「思考の手間」を増やす

私は普段、東京にいるのですが、東京のスタッフと年に一度、忘年会などで行くお寿司屋さんがあります。

このお寿司屋さんには、メニューも何もありません。

 

「今から寿司15貫、いいかんじの出すから食え!」「酒はこれを飲め!」と言わんばかりに、ズバッと出てきます。

 

逆に、どんなに品が良さそうなお店でも、上から下までビッシリ書かれたメニューを見ると、「うーん・・何を頼めばいいんだろう?」と考え込んでしまいます。

 

さすがに食なので好みもあるでしょうが、ここで何が言いたいかというと、「選択肢が多いのは、必ずしも良いというわけではない」ということです。「思考の手間」が増えてしまうからです。

 

もし、自社の商品やオプションが多い場合でも、「あれもこれもできます!」ではなく、「まずはこれをおすすめします」と伝えた方が、相手も思考の手間がなく、選びやすい場合があるのです。

製品を手に取ったお客様が、まず初めに思うこと

たとえば、あなたがWEBシステムの製品を作り、現場のお客様の元に届けたとします。

 

このとき、専門知識のないお客様が、あなたの作ったものを触った瞬間に思うことは一つです。

「えーと、今、すごく忙しいんだけど、オレ、結局、何すればいいの?これ使うと、オレにどんないいことあるの?」

 

この疑問を抱かせないモノを作ることが重要です。

 

「考えなきゃ使えないなら、使わない方がマシだ。そんな時間があるなら、他にもやらなきゃいけないことがたくさんあるんだ。頼むから、オレにあれこれ考えさせないでくれ。」

 

そういう時代になったのです。

 

相手の「TODO(すべきこと)」と「メリット」。

最低でもこの2つは瞬時にわかるようにしておきましょう。

「思考の手間」は「作業の手間」に比べ、想像しにくい

「作業の手間」を1工程でも減らすというのは、クリエイターの方であれば日々考えるでしょう。

 

ユーザーの1クリック、1タイピング、1ページ遷移、1確認画面など。絶対に外せないアクション以外の作業をいかに減らせるか。依然として、これはすごく重要です。

 

「作業」というのは、WEBでいえばクリックやタップなど、ユーザーに必ず何らかの行動が生じるため、想像しやすいのです。

 

これに対し、「思考」は目に見えません。

 

ユーザーの頭の中をカパっと開いて、「考えているプロセスが7つあるな。少し多いかな」などわかればいいのですが、そうはいきません。

 

そのため、「思考の手間」は「作業の手間」に比べ、想像しにくいのです。

 

それでも、ものづくりの過程で、「あ、ここで、余計に1つ多く考えさせちゃうかも」とか、「これだと理解するのめんどくさくて途中でやめちゃうかも」など、その思考のストレスを一つでも多くカットできないか気を配ることはできるはずです。

 

あなたの作ったUIひとつ、あなたの書いた表現ひとつを、あらためて細かくチェックしてみましょう。

注意しなければいけないのは、作っている製品が、あなたの専門分野に関するモノだった場合、相手の思考のストレスを、あなた自身がイメージしにくい場合があります。

 

とくに、その分野について、ターゲットとしているお客様のリテラシーが低い場合は、なおさら、作り手と受け手の間に温度差が生じてしまいます。

 

たとえば、表現ひとつ取ってみても、このコラムを読んでいる方は、「ブラウザ」という言葉でストレスを感じることはないでしょうが、ご年配の方向けに伝える場合は、「インターネットを見るソフト」など書き添えないとストレスを感じるかもしれないということです。

 

「さすがにこのくらいわかるでしょ?」ということが、相手によってはまったくそうではなく、むしろ「思考の手間」になっている可能性があります。

 

自分の主観だけでなく、プロジェクトに関わっていない人や、専門知識がない人、ターゲットとして想定している人に触ってもらい、感想をもらうなどして検証すると良いでしょう。

「思考の手間」をカットすれば、「作業の手間」もカットされていく

これからは、「思考の手間」まで減らしてくれるプロダクトが選ばれます。

 

たとえば、当社のクライアント向けシステム『ラルズマネージャー』が完成してからもう何年も経っていますが、このシステムは、リリース当初から「思考の手間」を省くことがコンセプトでした。

 

その要となるのが、ラル子というAIキャラクターです。

 

今はまだ完全なAIと呼ぶにふさわしい状態には至っていませんが、このキャラクターが、お客様のやるべきことをすべてを教えてくれて、そしていつか、お客様にとって必要なことを全部やってくれる。そういう構想の元、生まれました。

たとえば、広告出稿機能であれば、自分でわざわざ出稿するまでもなく、ラル子がクライアントの要望を聞き、すべて自動で運用してくれるといった未来を考えています。

 

顧客がどうしても登録しなければいけない情報、たとえば、当社でいえば物件情報なども、いずれは、チラシをスマホカメラで撮影するだけで入力が終わるような仕組みも構想中です。

そうすれば、あれこれ考えずとも、親指1タップで作業が完了するからです。

 

「思考の手間」をカットしようと思えば、自然と「作業の手間」もカットされていくのです。

ラルズネットは「思考の手間」をカットするものづくりが得意

 自社のことで恐縮ですが、ラルズネットのエンジニアとデザイナーは、「作業の手間」はもちろん、「思考の手間」をカットするものづくりに長けていると思います。

 

たとえば、一例ですが、ビッグデータを扱っているエンジニアチームがやっていることは、すごく複雑なことです。

しかし、これを、デザイナーと協力して進めることで、お客様が見る段階においては、とてもわかりやすくストレスがない形で変換されています。

 

これは、言い換えれば、「すごく難しいことを、めちゃくちゃカンタンに楽しく見せることができる」スキルです。

 

何百と他社のシステムを使ってきましたが、このスキルを持っているシステム会社は、意外と多くないなというのが正直な感想です。

(眠たくなるような、まるで表計算ソフトのような無機質なシステムを、あなたも一度は見たことがあるのではないでしょうか?)

 

ラルズネットのプロダクト開発において、他社より優れている点を1つ教えてくださいと言われたら、迷わずこう答えます。

「すごく難しいことを、めちゃくちゃカンタンに楽しく見せることができます」と。

「作業の手間」だけでなく、「思考の手間」をカットしなければ選ばれない時代に、これらのスキルは必須だと強く感じます。

 

もし、あなたも何かの縁でラルズネットで働くことがあれば、ぜひ一緒に、他のどの製品よりもカンタンで、他のどの製品よりも楽しくなるものづくりをしましょう!

結論

めんどくさいのはダメ!手だけでなく頭も使わせない製品にしよう!

 
この記事を書いた人:鈴木常務

経営戦略、商品企画、人材採用の責任者をやっています。 この仕事をやっていて感動するのは、頭の中に描いたものが、実際に動く商品になり、お客様から「めちゃくちゃいい!」って言われたときです。 みんなと一緒にがんばって作って良かった!って、しみじみ思います。 自分自身、成功より失敗の方が何倍も多いですが、いつも仲間に助けられ、困難を乗り切り、そのたびに少しずつ成長してこれたのかなと思います。 その中で得た学びをブログで発信していきます。