めんどくさいモノは使われない! 〜「思考の手間」を徹底的にカットせよ〜
目次
「めんどくさい」には2種類ある 〜「作業」と「思考」の手間〜
製品に対し、時代が求めてきたこと 〜昔・ちょっと前・今 それぞれの違い〜
昔に求められていたこと
ちょっと前まで求められていたこと
今、求められていること
時代ごとのまとめ
選択肢の多さは「思考の手間」を増やす
私は普段、東京にいるのですが、東京のスタッフと年に一度、忘年会などで行くお寿司屋さんがあります。
このお寿司屋さんには、メニューも何もありません。
「今から寿司15貫、いいかんじの出すから食え!」「酒はこれを飲め!」と言わんばかりに、ズバッと出てきます。
逆に、どんなに品が良さそうなお店でも、上から下までビッシリ書かれたメニューを見ると、「うーん・・何を頼めばいいんだろう?」と考え込んでしまいます。
さすがに食なので好みもあるでしょうが、ここで何が言いたいかというと、「選択肢が多いのは、必ずしも良いというわけではない」ということです。「思考の手間」が増えてしまうからです。
もし、自社の商品やオプションが多い場合でも、「あれもこれもできます!」ではなく、「まずはこれをおすすめします」と伝えた方が、相手も思考の手間がなく、選びやすい場合があるのです。
製品を手に取ったお客様が、まず初めに思うこと
たとえば、あなたがWEBシステムの製品を作り、現場のお客様の元に届けたとします。
このとき、専門知識のないお客様が、あなたの作ったものを触った瞬間に思うことは一つです。
「えーと、今、すごく忙しいんだけど、オレ、結局、何すればいいの?これ使うと、オレにどんないいことあるの?」
この疑問を抱かせないモノを作ることが重要です。
「考えなきゃ使えないなら、使わない方がマシだ。そんな時間があるなら、他にもやらなきゃいけないことがたくさんあるんだ。頼むから、オレにあれこれ考えさせないでくれ。」
そういう時代になったのです。
相手の「TODO(すべきこと)」と「メリット」。
最低でもこの2つは瞬時にわかるようにしておきましょう。
「思考の手間」は「作業の手間」に比べ、想像しにくい
「作業の手間」を1工程でも減らすというのは、クリエイターの方であれば日々考えるでしょう。
ユーザーの1クリック、1タイピング、1ページ遷移、1確認画面など。絶対に外せないアクション以外の作業をいかに減らせるか。依然として、これはすごく重要です。
「作業」というのは、WEBでいえばクリックやタップなど、ユーザーに必ず何らかの行動が生じるため、想像しやすいのです。
これに対し、「思考」は目に見えません。
ユーザーの頭の中をカパっと開いて、「考えているプロセスが7つあるな。少し多いかな」などわかればいいのですが、そうはいきません。
そのため、「思考の手間」は「作業の手間」に比べ、想像しにくいのです。
それでも、ものづくりの過程で、「あ、ここで、余計に1つ多く考えさせちゃうかも」とか、「これだと理解するのめんどくさくて途中でやめちゃうかも」など、その思考のストレスを一つでも多くカットできないか気を配ることはできるはずです。
あなたの作ったUIひとつ、あなたの書いた表現ひとつを、あらためて細かくチェックしてみましょう。
注意しなければいけないのは、作っている製品が、あなたの専門分野に関するモノだった場合、相手の思考のストレスを、あなた自身がイメージしにくい場合があります。
とくに、その分野について、ターゲットとしているお客様のリテラシーが低い場合は、なおさら、作り手と受け手の間に温度差が生じてしまいます。
たとえば、表現ひとつ取ってみても、このコラムを読んでいる方は、「ブラウザ」という言葉でストレスを感じることはないでしょうが、ご年配の方向けに伝える場合は、「インターネットを見るソフト」など書き添えないとストレスを感じるかもしれないということです。
「さすがにこのくらいわかるでしょ?」ということが、相手によってはまったくそうではなく、むしろ「思考の手間」になっている可能性があります。
自分の主観だけでなく、プロジェクトに関わっていない人や、専門知識がない人、ターゲットとして想定している人に触ってもらい、感想をもらうなどして検証すると良いでしょう。
「思考の手間」をカットすれば、「作業の手間」もカットされていく
これからは、「思考の手間」まで減らしてくれるプロダクトが選ばれます。
たとえば、当社のクライアント向けシステム『ラルズマネージャー』が完成してからもう何年も経っていますが、このシステムは、リリース当初から「思考の手間」を省くことがコンセプトでした。
その要となるのが、ラル子というAIキャラクターです。
今はまだ完全なAIと呼ぶにふさわしい状態には至っていませんが、このキャラクターが、お客様のやるべきことをすべてを教えてくれて、そしていつか、お客様にとって必要なことを全部やってくれる。そういう構想の元、生まれました。
たとえば、広告出稿機能であれば、自分でわざわざ出稿するまでもなく、ラル子がクライアントの要望を聞き、すべて自動で運用してくれるといった未来を考えています。
顧客がどうしても登録しなければいけない情報、たとえば、当社でいえば物件情報なども、いずれは、チラシをスマホカメラで撮影するだけで入力が終わるような仕組みも構想中です。
そうすれば、あれこれ考えずとも、親指1タップで作業が完了するからです。
「思考の手間」をカットしようと思えば、自然と「作業の手間」もカットされていくのです。
ラルズネットは「思考の手間」をカットするものづくりが得意
自社のことで恐縮ですが、ラルズネットのエンジニアとデザイナーは、「作業の手間」はもちろん、「思考の手間」をカットするものづくりに長けていると思います。
たとえば、一例ですが、ビッグデータを扱っているエンジニアチームがやっていることは、すごく複雑なことです。
しかし、これを、デザイナーと協力して進めることで、お客様が見る段階においては、とてもわかりやすくストレスがない形で変換されています。
これは、言い換えれば、「すごく難しいことを、めちゃくちゃカンタンに楽しく見せることができる」スキルです。
何百と他社のシステムを使ってきましたが、このスキルを持っているシステム会社は、意外と多くないなというのが正直な感想です。
(眠たくなるような、まるで表計算ソフトのような無機質なシステムを、あなたも一度は見たことがあるのではないでしょうか?)
ラルズネットのプロダクト開発において、他社より優れている点を1つ教えてくださいと言われたら、迷わずこう答えます。
「すごく難しいことを、めちゃくちゃカンタンに楽しく見せることができます」と。
「作業の手間」だけでなく、「思考の手間」をカットしなければ選ばれない時代に、これらのスキルは必須だと強く感じます。
もし、あなたも何かの縁でラルズネットで働くことがあれば、ぜひ一緒に、他のどの製品よりもカンタンで、他のどの製品よりも楽しくなるものづくりをしましょう!
結論
めんどくさいのはダメ!手だけでなく頭も使わせない製品にしよう!
当社のものづくりの考え方をもっと知りたい方はこちら
考えるのがめんどくさい世の中についての考察はこちら
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