無担保融資のメリットと利用条件

資金調達は、不動産投資を行う上で難しい問題のひとつではないでしょうか。不動産投資やアパート賃貸管理に興味があっても手を出しづらいと考える人がいる理由かもしれません。

今回はそんな人におすすめの無担保融資について説明します。無担保融資のメリットと利用条件を中心に見ていきましょう。

無担保融資とは何か？担保と無担保の概要

まず無担保融資について説明する前に、知っているようで知られていないと考えられる担保と無担保の概要を見ていきましょう。

担保とは

融資を受ける際、あらかじめ債権者に提供しておくもののことです。

返済が不可能になった場合は、債権者は担保によって債務の弁済を行うのです。連帯保証人などの人的担保と、抵当権などの物的担保の2種類があります。

無担保とは

担保を提供しないことを指します。多くの人は融資と聞くと、土地などの抵当権を担保に資金を借りるイメージがあるかもしれません。これを担保融資と呼びます。

一方、融資の中には担保を必要としない無担保融資もあります。

無担保融資と言っても借入条件が何もないわけではありません。あくまで借入条件に担保が必要ない融資というだけです。

むしろ無担保融資は借主の審査をとても慎重に行います。審査では返済能力の有無、勤務先、年齢などのデータを申告しなければなりません。

他にも本人の申告だけでなく、カードの返済履歴なども信用情報機関のデータによって参照されます。無担保融資は債権回収のリスクが高いため、個人の信用能力が大きく影響するためです。

無担保融資の複数のメリット

一般的な担保融資にはない無担保融資だけのメリットというものがいくつか存在します。メリットをおさえた上で無担保融資を検討しましょう。

無担保で融資を受けることができる

1つ目は言うまでもなく、無担保で資金の融資を受けられるというところです。これは言い換えるなら、自分の大切な資産を守りやすいということでもあります。

担保は、返済が滞った際、債務の弁済のため処分されてしまいます。ですが担保がなければ当然売り払うことはできません。

保証人が不要

無担保融資では、物的担保の場合だけでなく、人的担保の場合でもメリットがあります。2つ目のメリットは、「保証人に欲しい」と両親や友人などを頼る必要がないことです。

万が一のことを考えると、保証人になって欲しいと頼むのは心理的負担を感じる人も少なくないでしょう。ですが、無担保融資なら保証人なしで資金を借りられます。

融資を受けるまでの時間を短縮できる

3つ目のメリットは、融資を申し込む際、担保に関する書類が不要となり、融資を受けるまでの時間を短縮できることです。

もし土地や建物を担保にしようと思った場合は、専門家に見てもらったり、そのための書類を書く必要があります。

そういった手間や時間がかからずスピーディーに融資を受けられます。

次の物件購入時に共同担保にできる

そして最後に4つ目のメリット。

これは不動産投資などに興味がある人に、特に知っておいてもらいたいメリットです。

無担保融資の場合、無担保になってる物件を、次の物件購入時に共同担保にできるのです。共同担保とは複数の土地や建物に対して担保を設定することを言います。

借り入れをしやすくするなどのメリットがあるこの方法を使えば、物件数を増やしやすくなります。

担保ありと比較して厳しい無担保融資の利用条件

便利な無担保融資ですが、利用条件は担保ありの融資に比べて、厳しいものとなっています。低金利で借り入れできる政府系金融機関である日本政策金融公庫を例に見ていきましょう。

日本政策金融公庫は不動産投資にも融資をしてくれますが、不動産賃貸事業であることが前提です。

また、政府系金融機関であるがゆえに、公共料金や税金などの未払いがないかも厳しくチェックされます。事業に必要な資金の10分の1の自己資金が必要という点も忘れてはなりません。

つまり400万円の融資を受けようとする場合は、40万円を超える自己資金を用意しておかなくてはなりません。

この他にも条件がありますが、それらをクリアすると、日本政策金融公庫から最大2000万円までの融資を受けることができます。(※今後市況によって変化はあるかもしれません)ただし、担保ありの場合と比べて審査は厳しくなる点は注意しておくべきでしょう。

日本政策金融公庫で無担保融資を受けやすい物件とは？

日本政策金融公庫の無担保融資を受けたい場合、どのような物件が良いのでしょうか。

実は他の金融機関と日本政策金融公庫では、良い条件で借り入れできるかどうかの基準が違います。

日本政策金融公庫では、まず比較的低価格な物件が審査を通過しやすいです。

逆に言うと高額な物件は不向きと言えます。そもそも日本政策金融公庫から受けられる融資限度額には当然上限がありますし、銀行などに比べてみても借入期間も短い傾向があるため、低価格な物件に向いていると言えるでしょう。

また、築年数が経過した物件も狙い目です。日本政策金融公庫は他の金融機関と違い、築年数が経過していたり、法定耐用年数を超えていたりする物件にも融資をしてくれ、審査も通りやすい傾向があります。

無担保融資を望むなら専門家に相談を

無担保融資は上手く利用すれば、担保なしで物件を購入できるため大変便利です。

他にもさまざまなメリットがあります。ですが審査を通るためには厳しい条件があります。また日本政策金融公庫の無担保融資に合った審査の通りやすい物件というものもあるのです。

こうしたことをしっかりと理解して把握するためにも、信頼できる不動産会社などの専門家に相談しながら検討した方が良いでしょう。