不動産投資をするときにはどのような入居者が申し込んでくれるのかをよく考えておく必要があります。
入居者ターゲットを絞り込んだ上で適切な部屋を用意するとどのようなメリットがあるのか、具体的な方法を確認しておきましょう。
入居者ターゲットを絞り込む意味
入居者ターゲットを絞り込む必要があるのは、不動産投資による長期的な利益を生むために空室対策を行う必要があるからです。
現状では不動産は買手市場になっているため、部屋探しをしている人のニーズをよく理解し、他の物件に比べて優れているものを提供しなければ入居者を獲得できません。
空室率をできるだけ下げられるようにするための戦略を考える上で役に立つのが入居者ターゲットの絞り込みです。
具体的にどのような人をターゲットにするかを決めておくと、そのニーズを調査して適切な形で部屋を整えれば入居率が上がると考えられます。
他の物件との差別化もできるため、物件の宣伝を行うときにもアピール力が上がり、効果的に入居者を募ることが可能になるでしょう。
入居者ターゲットを考えるタイミング
入居者ターゲットを考えるべきタイミングはいつかというのも不動産投資をする上では悩みになります。
適当な物件が見つかったらそれに合わせて入居者ターゲットを絞り込むという方法もないわけではありません。
しかし、それが地域のニーズに合っていなかったら意味がないため、重要なのは物件を購入する前に考えることです。
予め地域のニーズを調査してどのターゲット層を選べば入居者を募りやすいかを考えましょう。
そして、入居者ターゲットの候補を絞り込めたら、それに合っている立地や間取りなどが揃っている物件を探せば良いのです。
適切な物件が見つからないというときには内装や外装ならリフォームで変更することができます。
今まで不足していたタイプの物件を作り出すことになり、ターゲットさえ見誤らなければ大きな人気を獲得できる可能性もある方法です。
このようなことも考えた資金計画を物件購入時に立てておくと、後から大きな出費が発生することはありません。物件購入後に考えてしまうと、リフォーム料金が後から発生して苦労する場合もあるので注意が必要です。
入居者ターゲットの具体例
入居者ターゲットを具体的に考えてみると、それに合わせてどのような対策を立てたら良いかがわかります。ターゲットとしてどのような人を設定するかによって求められている物件には違いがあるので特徴をおさえておきましょう。
ファミリー向け
ファミリー向けの物件は比較的長く住んでもらえる場合が多いことから不動産投資をする上では理想的なターゲットです。
広めの間取りが必要で住宅設備として典型的なものは一通り揃っていることが求められます。家賃相場として求められる範囲は広いので、どのような収入層の人が住む地域かを調査してグレードを合わせるのが肝心です。
学生向け
学生向けの物件は単身者向けの1R、1K、1LDKの間取りで、設備的には簡素で比較的家賃が低いものが求められる傾向があります。
しかし、比較的家賃が高くて広めの物件の人気も高まってきていて、ニーズは二極化しているのが現状です。
女性の一人暮らし向け
女性の一人暮らし向けの物件では1R、1K、1DKの間取りでもやや広めのものが好まれます。
家賃はやや高めでもセキュリティ面で安心できる物件が人気です。エントランスホールにセキュリティがある、防犯カメラが設置されているなどといった点がプラス評価になります。
女性のみの物件を選ぶ人も多いため、十分に女性のターゲットがいる地域なら専用物件にするのも良い方法です。
会社員向け
会社員向けの物件は単身者用の比較的狭めで家賃が安いものが求められる傾向があります。立地の利便性への要求が高い場合が多く、駅から徒歩圏内にあると高く評価されるのが特徴です。
ペット飼育者向け
ペット飼育者向けでは部屋の広さと防音性が求められます。通気性がよくて臭いがこもらないようにしてあることも重視されるのが一般的です。ペット共生型のデザインにすることで人気を獲得できるでしょう。
高齢者向け
高齢者向けの場合にはバリアフリーが基本です。部屋の中だけでなく廊下やエレベーターも広めにしておき、段差をなくしてデザインすることが欠かせません。家賃も低めにする必要がありますが、需要は高まっているのでターゲットとしては優れています。
外国人向け
外国人向けの物件では家賃の低さが優先される場合がほとんどです。単身者や二人暮らし、ファミリー層といったさまざまなニーズがあるため、間取りは数種類準備すると良いでしょう。外国人専用とすることにより入居率が高まることも期待できます。
生活保護者向け
生活保護者向けの物件の場合にも家賃の低さが重視されます。設備は必要最低限のものがあれば問題はありませんが、子育てをしているファミリー層が多いので部屋数は多めにしておくのが大切です。
入居者ターゲットを設定するときの注意点
不動産投資では入居者ターゲットを決めておくとスムーズに物件選びから入居者募集の開始に漕ぎ着けることができます。
ニーズのあるターゲットを選び出せていれば当面は空室率で悩むこともなくなりますが、あまりに絞り込んでしまうと失敗するリスクもあるので注意しましょう。検討者自体の母数が少なくなってしまう可能性があるからです。
今は大丈夫でも、これから先ターゲット層がその地域から遠のいていくという可能性も否定はできません。それも想定して汎用性が高い内装や設備を整えるようにするのも肝心です。
いざというときに内装を変更できるように可変性の高い物件を選んでおくのも予防策になります。
入居者ターゲットを考えつつ汎用性のある部屋にするのが得策
不動産投資で失敗しないためには入居者ターゲットを絞り込むのが大切です。しかし、それにこだわりすぎると検討者自体の母数を減らしてしまうことになるため、汎用性のある部屋を用意するという視点も忘れないようにしましょう。
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