
自分の健康状態や建物の老朽化などといった事情で、アパート経営をやめる人は少なくありません。
アパート経営を続けるのが困難になった際、廃業することも選択肢の一つです。アパート経営を廃業する場合の手続きと手順を説明します。
物件の取り壊しか売却か?アパート経営を廃業する2つの方法

アパート経営を廃業する際、そのアパートを取り壊すか売却するか、どちらにするか判断しなくてはなりません。
一般的に、取り壊しが選択肢に入っているような物件は、建物が評価されず、土地だけの値段になることが多くあります。
また、建物を取り壊して撤去した後の土地でないと売却できないということもあるでしょう。
物件の取り壊しは、入居者を無視して進めることはできません。そのため、まずは入居者への退去願いが必要になります。
退去願いをだしても入居者が立ち退きに応じなければ、物件の取り壊しはできません。引っ越し費用などを大家側で負担する工夫は必要でしょう。
また、退去に応じてもらうために引っ越し先を探してあげることも有効です。スムーズな物件の取り壊しができるように、できる限り退去する入居者の負担を減らしましょう。
取り壊しができる目途がたったら、アパートの解体工事の見積もりを行います。
2、3社で解体費用の見積もりを行って、相場を調べた方が費用を削減できます。
解体工事開始前には、電気・ガス・水道などの業者との契約を解除しておきましょう。
この時に近隣の住人への挨拶も忘れず行います。解体工事の重機や運搬車の騒音などで、近隣の住人に負担をかけることになるからです。
どのような工事を行うか説明して、理解を得ておいた方がいいです。
アパートの解体工事自体は解体工事業者が行ってくれるので特に何かをする必要はありませんが、最後に残る産業廃棄物の処理は施主に責任があります。
事前に産業廃棄物の処理を業者に発注をしておきましょう。
一方、アパート経営を廃業するもう一つの方法は、アパートと土地の権利の売却です。
アパートを売却するには専門的な知識が必要で、公的な手続きも行わなくてはなりません。
不動産売却に不安を感じる人は、仲介業者を頼るのが良いでしょう。
アパート経営の廃業はタイミングが大切
アパート経営を廃業する場合は、費用や手続きが必要になるため、タイミングをみることが大事です。
例えば、取り壊しを選択した場合、取り壊し費用などがかかるからです。
この取り壊し費用は、廃業した年ならば賃貸業の廃業に関わる残務処理として考えられ、必要経費として認められます。
アパートを売却する場合は、仲介手数料や印紙代、登録免許税などの諸経費がかかります。
他にも、不動産に抵当権が設定されている場合は抵当権抹消費用もかかります。これらの費用を事前に計算して、どのくらい費用がかかるのかを考えておくことは大切です。
売却のタイミングは入学・入社シーズンの少し前、2月から3月が一般的にアパートを売りに出すのに適した時期と考えられています。
入学・入社シーズンは引っ越しシーズンでもあり、賃貸の需要が高まるからです。そのため、アパートなどに不動産投資を始めたいと考える人も増える傾向にあります。
さらに、新しい投資物件を探す人が多くなる時期でもあります。
売却のタイミングは時期だけではなく、アパートの入居者も大きく関わってくるので満室の時に売りに出すことを目指しましょう。
収益物件をインターネット上で検索する際、満室物件に絞り込んで検索を行えるサイトも少なくありません。入居が安定していると判断されればより一層売れやすくなります。
融資の際にも金融機関は満室の家賃収入を評価します。空室が生じるようになった状況で売却するよりは、満室にしてから売り出した方が良いでしょう。
他にも、アパートの建つ土地の価値が上昇した時や減価償却費の計上が終わった時も、売却に適したタイミングと言えます。
なぜなら、前者は地価が上がった時に売却すると利益が大きくなるからです。
片や、後者は減価償却費がなくなると必要経費が減り、節税効果が薄れます。
アパート経営の廃業に適したタイミングは、いくつもの要因が絡み合うので、よく考えて見極めることが必要です。
廃業届の手続きを忘れずに!

開業届を出している場合は、廃業届の手続きも忘れてはいけません。
廃業届とは「個人事業の開業・廃業等届出書」のことです。
廃業届は、事業を廃業した日から1ヶ月以内に税務署に提出する必要があります。
廃業届は、国税庁のホームページからダウンロードして印刷するか、税務署で受け取ることで手に入ります。
廃業届を税務署に直接行って提出するのが難しいなら、郵送で提出することも可能です。土日祝日は税務署が閉まっていますが、時間外収受箱に投函することで提出はできます。
廃業届を出さないと、税務署から確定申告の連絡が来たりするので、早めに提出するように心掛けましょう。
アパート経営の廃業は計画的に
アパート経営の廃業は、行き当たりばったりではいけません。
まず、物件の取り壊しか売却かという選択を迫られます。どちらかに決めたとしても、次はそのタイミングを決める必要があります。
取り壊しでも売却でも、さまざまな条件を考えた上でタイミングを見極めることが大切です。
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