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不動産投資の資金を何年で回収できるか知るには?
ファイナンス
2018/07/12 2018/08/06

不動産投資の資金を何年で回収できるか知るには?

株式会社ラルズネット 編集部

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不動産投資の資金を何年で回収できるか知るには?

不動産投資は長期投資の一つであり、長い目で見て投入した資金を回収できるかを考えることが重要になります。何年あれば回収可能かどうかを知るにはどうしたら良いのでしょうか。不動産投資をする上での資金回収の基本を理解しておきましょう。

不動産投資の資金回収期間を知るための基本

不動産投資の資金を何年で回収できるか知るには?

不動産投資で投入した資金を何年で回収できるかを具体的に試算するには投資シミュレーションを作成するのが基本です。

物件を購入する時にかかる費用と想定される家賃収入、空室率、諸経費率などを勘案し、不動産投資ローンによる金利額を考慮して見積もりを立てることで大まかなシミュレーションをすることができます。

あくまで現況から判断した見積もりになるのは確かですが、回収までにかかる期間を見積もる上では十分な内容です。

Web上で簡単に計算できるシステムも提供されているので、この物件で不動産投資を始めたらどの程度の回収期間がかかるか悩んだらまずシミュレーションをしてみましょう。

不動産投資で確認しておきたいROIとCCRの意味

資金回収にかかる期間を知る上で確認しておきたい指標としてROIとCCRがあります。ROIは投資一般に対して用いられる指標で、投資収益率の英名であるReturn On Investmentの略です。ROIは次のようにして計算されます。

ROI=年間のキャッシュフロー/投資対象の購入費用☓100

つまり、不動産投資の場合には投資物件の価格や諸費用に対して、年間でどれだけの現金収入があるかを示しています。

一方、CCRは不動産投資でよく用いられる指標であり、Cash on Cash Returnの略です。日本語では自己資金収益率と呼ばれ、次のような式で算出されます。

CCR=年間のキャッシュフロー/投資に使った自己資金☓100

この場合には自己資金として供出した金額に対して、年間で得られているキャッシュフローを示しています。

ROIが5%であれば物件の購入価格分だけ現金を手に入れるのに20年かかることになりますが、CCRが5%なら自己資金として投入した金額を取り返すのに20年かかるという意味になります。

不動産投資の場合にはローンを活用してレバレッジをかけられるのが特徴であり、安定経営を続けられれば家賃収入によってローンを返済することが可能です。

そのため、投入した自己資金を速やかに取り返すことができれば大きな収益を上げられると考えられます。この観点からCCRで評価することが資金回収をしやすい物件を選び出す上で重要です。

資金回収と関連が深い利回りとは

不動産投資の資金回収を考える上で利回りも重要な指標として用いられます。利回りには表面利回りと実質利回りがあり、回収期間を知る上で特に重要になるのは実質利回りです。この2つは次のようにして計算されます。

表面利回り=年間の満室想定での家賃収入/物件の購入費用☓100 実質利回り=空室率を想定した家賃収入/物件の購入費用及び諸費用☓100

表面利回りは物件を理想的な形で運用できたときに得られる収入額があると想定したときに、どれだけ年間で物件の購入費用を回収できるかを示す指標です。

しかし、現実的には不動産経営をしていると空室が出てきてしまうことはよくあります。

また、物件の取得の際にも諸費用がかかりますが、維持管理をしていく上でも管理費用や税金などがかかるため、その出費が投資をする上での損失として考えなければなりません。

ランニングコストはかなり大きくなる場合も多く、修繕費積立金や共有部分の水道光熱費、各種設備の点検費用なども念頭に置いておくことが必要です。

空室が増えてしまったときに対策を行うための費用も考慮するケースもあります。このような点を考えて実質的に年間でどの程度の資金回収が可能かを見積もっているのが想定利回りです。

より現実に近い指標なので、想定利回りを用いるとおよそ何年で資金回収が可能かをかなりの正確性で見積もることができます。

ただし、現実的には詳しく諸費用を見積もることが難しいため、表面利回りで物件比較を行っていることが多いのが実情です。

しかし、最終的に投資物件を決定するときには想定利回りの算出を試みるのが無難です。

資金回収期間の短い物件を探し出すのが大切

資金回収期間は不動産投資のやり方次第で大きく変化します。CCRに基づいて回収期間を短くするには自己資金の割合を低くするのが効果的です。

融資額を多くすることで大きなレバレッジをかけるか、安い不動産を選ぶことで対策できます。

また、キャッシュフローを増やすのも直接的な方法であり、部屋あたりの家賃を高くしやすく、空室率も低いと想定される物件を選ぶのが合理的です。

このような物件を選んだ上で、実際に不動産投資シミュレーションを行い、何年後には自己資金の回収が可能で、何年で購入費用まで全て回収できるかを算出してみましょう。

想定利回りを考慮してシミュレーションをすれば正確性の高い見積もりを立てられます。迷っている物件がある場合には数を絞って丁寧に計算し、どの物件が最も短期間で資金回収が可能かを吟味するのが大切です。

この記事を書いた人:株式会社ラルズネット 編集部